画像をクリックすると拡大写真をみることができます。

 
 
  音の逸品館 (1926〜2016) vol. 54

KRELL KBX
入力から出力まで完全なバランス回路としたエレクトロニック クロスオーバー
ネットワーク。回路にはハイバイアス?クラスA方式を採用。
クロスオーバー周波数、スロープ、イコライゼイションをスピーカーに合わせた
設定に変更できる。
変更はプラグイン式のカードを交換。
私はクロスオーバー300Hzで設定、
WE12Aと13A、WE24Horn(WE594)
とEltus GTA4181A×2をマルチで、
WE25BHorn(WE555×2),WE597とWE4181×2をバイアンプで鳴らしています。
1996

 
 
 
 
 
 音の逸品館 (1926〜2016) vol. 22

韓国Baeさんからのプレゼント
RE604sステレオアンプ

 
 
 
 
 
 
 
  音の逸品館 (1926~2016) vol. 23

SS誌販売
新 忠篤さん設計
フォノイコライザーアンプ
AKTEQ-2 mono

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 音の逸品館 (1926〜2016) vol. 24

Spectral DMC-12 プリ
入力端子及び感度/インピーダンス:Phono(MM)10,20,100,800,47kΩ
CD,Tuner,Aux-1,2,Tape
出力レベル/インピーダンス:Pre Out16.4V
S/N比105dB
1991

 
 
 
  音の逸品館 (1926~2016) vol. 69
Meridian 208
本格的なプリアンプ機能も内蔵した一体型CDプレーヤー。D/A変換にはビット
ストリーム1Cを搭載し、ディファレンシャルモードで使用。CDドライブメカはフィリ
ップ製CDM4を使用。メカニカルな2ボックス構造構造であるが、エレクトロニク
ス部はさらに上下分割として徹底したシールディングを実行。
アナログ出力はRCA端子によるアンバランスが3系統で、デジタルは同軸と光
出力を装備。
1990
 
 
 
 
 
 音の逸品館 (1926~2016) vol. 74

Jensen Stage Speaker Unit
Type 607-A

Jensen Field Coil Model Q Tweeter Horn speaker driver
Jensen Field Coil Auditorium Speaker
Model M-20
ジェンセン社のHigh-Range Speaker
Model Qは、1933年に登場した高域用スピーカーユニット。仕様はボイスコイル・インピーダンスが16Ω/3kHz、再生周波数帯域が1.2kHz~18kHz、最大入力5W。ACモデルとDCモデルがある。
Jensen Full Range Combination システム No. 1は低域に13インチ径フィールドユニット[ M20 ]を1本使用。

 
 いんたーねっとサーフした結果です
 

MINT Jensen Imperial Reproducer 
C-1300 & Q horn Tweeter

4-6-10 Update: I was just told the following info why the
speakers don't sound very loud, and I quote" The little box is a
500 ohm input transformer. That is not an 8 ohm speaker so it
should sound terrible on a standard stereo.". 
(He is right the speakers are 16 Ohm, so he may be right as to
why it is not very loud, thank you.).

4-5-10 Update: I was told this model was from 1939 with all o
riginal speakers, see first question and my text addition at
bottom of page.Yes, This Mint- speaker system is complete
and includes the impossibly Rare Model Q field coil Horn
Tweeter, it is in MINT condition, and it works!! I heard it. I have
read this tweeter alone sells for over $6,000. To have it working,
in mint condition, and in the original Cabinet with it's 
original components (transducer/ transformer, pots, chicken
head knobs, etc) may be a once in a lifetime find!!!Added
4-10-10: I started this at $14,000. I was told this price 
was a little high (by the guy who made an offer on the first day.)
So I lowered the asking price to $9,500. The more I have read,
learned & been told, I think this a very fair price, but I will accept
a good offer, as I have recently incurred an unexpected expense.
PICK-UP IS AN OPTION. I WILL SHIP THIS, BUT IT WILL BE
EXPENSIVE, 
due to it's weight and size. USA Shipping is actual cost, plus
$200 handling for the USA, and $200 handling for overseas plus
the Freight forwarding (shipping) cost. ( and I ship / export
worldwide). This speaker is very heavy.First: The actual item
looks a little better than my photos, for example the brown
"wrinkle" enamel on the tweete, transducer crossover is 100%,
Rich, thick and luxurious.Second: What is the value of a one of
a kind functioning 1940’s (actually as I have recently found
out a 1939 model) Electronic Work of Art. $14K? We will find
out in the coming days. You will be getting a Rare gem from the 
Golden Age of Electronics, and that’s a Fact. Directly from
the great Peter L. Jensen himself, the inventor of the modern
loudspeaker.Third: This speaker system WORKS!!!! 
More details later…..Fourth: If anyone cares to talk to me ,
email me your phone number,and I’ll send you mine.....FIFTH :
Shipping is actual cost, plus $200 handling for the USA, 
and $200 for overseas shipping ( and I ship /export worldwide).
This is a monsterously heavy beast.SIXTH: If any one has any
info on this speaker, I will post it; and make the appropriate
adjustments.I am fairly sure that the model C-1300 has never
been offered for sale on ebay’s, and most likely anyw else.
I could find no reference to this gem on the Net; nor the
speaker’s model #’s, nor the system model number.This may b
e the only surviving example of this beauty, most likely the
best condition and totally complete example, at least!!This
speaker system is identified as follows :Jensen Imperial
Reproducer Model C-1300.The original instructions on the
back of the speaker state: “Introducing Bass Reflex and
Peri-dynamic Principles”.The System serial number printed
on the bakelite faceplate is A-4124. The faceplate says it is a
Model C.It appears to be a 2 way system. This is an extremely
well made system, the construction, fit, and finish are superb.
T is a look of“state of the art” quality in every detail.The
woofer is a15”, and it looks New, no tears no rips, the paper
cone is perfect, PERFECT. The woofer is model A15-PM, the
“serial” # is B-2786. Printed on the rim of the frame is
“A15-PM B-2785” The round Tweeter / horn is about 4 inches i
n Diameter. It’s “serial” # is B- 2786. Yes, the numbers are
sequential.This cabinet includes a large Jensen Transducer,
and another electronic box that I am not sure what it is.
This system is All original. Appears to be unmodified, all the
wire solders look to be original and unaltered.
The cabinet and all electronic components are ve..
.
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
Room2全景
ウエスタン・エレクトリックの部屋
The room of Western Electric Sound
『ウエスタン』ウエスタンと最近『ウエスタン・エレクトリック」の話題が五月蝿
くなっていますが昔はウエスタンのことを書く人は数人しかいませんでした。

 池田 圭さん、伊藤 喜多男さんが『ウエスタン・エレクトリック』の最初の
紹介者ではないかと思います。情報が無い中、いろいろな迷信、作り話が
独歩していましたが、最近はインターネットのお陰で資料を入手しやすくな
り又ステレオ・サウンド社が熱心に紹介してくれています。
現在「西方の電気の音」の第一人者は『新 忠篤』さんです。
 私のホーム頁にも「ウエスタン・エレクトリック・サウンド」をオーディオの趣
味の一部としてUPしていますがアマチュアの頁なのでいろいろな本から抜
粋して説明しています。
詳しいことは本を入手して読んでください。

Western Electric Sound System
The Voice of Action
   Western Electric の世界
(無線と実験 1982年7月号 HiFi の原点!! ウエスタン・エレクトリックより)
ウエスタンスピーカーの謎を解明! 対談:八島 誠 ★ 木下正三

 「ウエスタン伝説の発生」

♪ ウエスタン伝説といいますか、スピーカーにしても何かしら謎めいた部分が
あるわけですが、このことに関し、どのようにお考えですか。
八島 我々のような戦前派は劇場で音を聞いたわけですよね。この音が、自
宅の高級システムとは桁外れの良い音がしていたわけですとね。 それで当時
のマニアはウエスタン、ウエスタンと大騒ぎをしていたわけですが、製品を見せ
ることもしなければ、売る事もしない。ただ我々は劇場のカーテンの裏からてく
る音だけで想像するより他になかったわけですよね。パーツも売ることもしなか
ったわけですから、故障してもわるい部分は返却しなければならない。というこ
とで現物を見た人はまずいませんでした。こういう事から伝説めいたものが出
てきたのではないかと思います。
木下 当時から、そのような神話めいたものがあったのですか。
八島 そうです。音はすれども姿は見えぬ、といいますか、物を見ることが出来
なかったんですよね。ですから調べようもないし、配線図もない、ある限られた
人しか物を見ることが出来なかったんですね。ですから劇場であるシステムを
入れたとしますね、そうするとマニュアルが一冊ついてくるんですが、そこには
使い方しか書いてないんですよね。いわゆるトラブルチャートみたいなものは
付いてこないんですよね。しかも内部に手を入れると罰金を取られるんです。
その代わり何時でも完璧な状態でいらるように、リース時の条件の一つとして
保障しているんですね。逆に音が鳴っている最中に機械がストップしてしまった
という時には何時間か以内に元に戻らない時にはウエスタンがペナルティーを
払うということになっていました。それだけクオリティーの維持には気を使ってい
たんですね。これらのことからウエスタンの伝説めいたものが生まれたのだと思
います。ウエスタンの幻の代表としては、597というトゥイーターがあるんですが・
・・・・・・。
木下 これはいわゆるボストウィックと呼ばれているものですね。
八島 そうです。これはいわゆる設計者の名前ですね。ウエスタンのシステム
がだんだんワイドレンジになってきまして、当時は30Hzから10000Hz迄をワイド
レンジと言っていたのですが、555ではどんなに上手に組み合わせても10000Hz
迄再々は出来ませんでした。そこで597を付けて3Way化を促進したのですが、
当時597の値段が相当高く、ウエスタンとしては597を付けるだけの予算のない
時には、救済処置として555の振動板に沿って1mm程の隙間をあけて蓋をし、
背圧を高め、これにより高域を延ばすことを考えだしました。これによりかなりワ
イドレンジ化が可能となったのです。また597を付けても当時の人たちにはチリ
チリッといった雑音のようにしか聞こえず、超高域アレルギーといいますか、い
わゆる良い音としては認められなかったわけです。そういうこともあり、せっかく
取り付けても全て取り外してアメリカへもっていってしまいました。そこで幻のス
ピーカーと呼ばれるようになったのです。
木下 これは日本だけのことですか。
八島 そうです。日本だけのことなんですが、要するの絶対数が少ないというこ
とです。アメリカでは幻とは呼ばれていませんでした。日本だけの呼ばれ方です
ね。我々がウエスタン・スピーカーに興味を持っているのは戦前モデルですね。
戦前のモデルといいますと、まず100%フィールドタイプです。ウエスタンとして
はパーマネントモデルには相当抵抗があったと思います。どういうところに抵
抗があったかと言いますと、ウエスタン製品は全てリースであるということ、そ
れで初期特性を出来るだけ長く保たせようとすると、世の中のパーマネント型
スピーカーでは不可能なんですね。 ウエスタンの技術者も私にいってたんで
すが、世の中にパーマネントがマグレットというものは無いよというわけですね。
ギャップの中に交流を流しますと、だんだんと磁力が弱くなっていくんですね。 
ですから当時から優れたパーマネント型スピーカーがあったにもかかわらず、
ウエスタンとしてはフィールド型にしたというわけです。スピーカーの規格といい
ましてもフィールドがどういう規格になっているか、また電源がついているかどう
か、またどのような物であるか等というものしかなく、我々が欲しい許容入力は
何Wとか、能率は何dbあるのかといった規格は、戦前のモデルにはこの種の規
格の発表は一切無いんです。ということはウエスタンのスピーカーが使われる
目的というのはシステムの一部としてみているからなのです。スピーカー単体
を売るのではないんですから、データーを発表する必要はないというわけです。
戦後モデルといいますと、1945年からのモデルですが、その後FM局向けにス
ピーカーをたくさん作って売ってたんです。この時に始めて周波数特性とか許
容入力等、今日のデータに見られるのと同じ様な規格を発表したんです。ただ
しスピーカーの能率の関してはウエスタンは30フィートの距離で測定している
んです。この時の能率が100dですから、いかに高能率かがわかると思います。
木下 30フィートで100dbですか。
八島 明らかに、そういうデータを発表しているわけです。ただ私達が今、問題
にしているのは戦前型モデルでして、このシリーズに関しては先ほど言いました
ようにリースが目的ですからデータを発表する必要か無いんです。そういう意
味でデータは無いんですが、0.25W の出力で朗朗とスピーカーが鳴るということ
は、いかに能率が高いかがよくわかっていただけたかと思います。ところで実際
に測定していただいて594の能率はどの位ありましたか。
木下 1m/Wに換算しますと、110db位だと思いましたが・・・・・・。
八島 そうですか。そういうデータが出れば、それを信用せざるを得ませんが、
実際には聴感状の能率はもっと良いはずです。こういう言い方をしますと、本誌
には相応しくない発言になってしまいますが、先ほど、聞いてもらいましたよう
に、0.25W出力のアンプで、何故あれだけ鳴るのか不思議なんですよね。ウエ
スタンスピーカーのデータに関して私は世界で一番持っていますが、戦前のス
ピーカーの詳しいデータは一切無いですね。私自身も一番興味あるデータなん
で、あらゆるものを探したんですが、無いですね。
木下 ウエスタンエレクトリックが当時果たした功績にはどんなものがあったの
でしょうか。
八島 大正3年といいますから、1914年ですね。この年にベル研究所が電話、
中継器等の附対設備、増幅器等を受けもつ処としてウエスタンエレクトリックが
あったわけです。ウエスタンエレクトリックの母体がベル研だったわけです。い
わゆるこの年頃からウエスタンの役割がはっきりしてきたのです。オーディオ
のほかに高周波関係にも業務を拡げていきました。この頃、機械式吹き込みの
レコードを再生して、大勢の人に聞かせるシステムは無かったわけです。この
頃の蓄音機というものは個人を対象とした物しか無かったわけですね。ですか
ら大勢の人に聞かせるためには音を大きくしなければならないわけです。そこ
でウエスタンとしてはどうしたかというと、蓄音機から出る音をマイクロフォンで
拾って、おそらく0.5W位の出力のアンプと高能率ドライバーと巨大なホーンに取
り付けて聞 かせたのが、いわゆるファブリック・アドレス(PA)の始まりではない
かと思うんです。これが1924年頃のことです。その後トーキーの吹き込みと再生
を手がけるのですが、この時、新たなセクションとして作ったのがエレクトロリサ
ーチ(ERPI)なんです。このエレクトロリサーチが機械を作り、商品化したのがウ
エスタンエレクトリッイクなんです。この当時どんなに生産しても需要に追いつ
かず日夜フル生産していたんです。この頃大反響を起こしたのが有名な“ジャ
ズシンガー”なんですね。その後、 アメリカは経済大恐慌になり、さしものウエ
スタンもこの影響をもろにかぶるのですが、その時17000人ぐらいの社員を今
の言葉でいうレイオフォしたわけです。それでそれらの人達から職を無くすわけ
にはいかないので、家庭用の家具を作ったり、用品を作ったりしていましたね。
私の知っている物ではストーブ(オーブン)もありました。ミシンも作れば、フライ
パンまでも作っていました。しかし、この ような状況時でもエレクトロリサーチ
はフル操業だったといわれています。一般には余り知られていないのですが、
ウエスタンがフライパンを作っていたのは、後にも先にもこの時だけです。
木下 短期間だけだったんですか。
八島 そうです。ほんとの短期間だけでした。社員を首にしないためにですね。
この頃は毎年ウエスタンの大きな収入源であった電話機の売り上げが大きく落
ち込んではいたのですが、なんとか不況を乗り越えたんですが、ここで関心す
るのはウエスタンの製品は絶対に売らなかったわけですね。全てリースでした。
このリースであるというのがウエスタンの大きなポリシーで、売り物は作らない、
と徹底していました。ただしウエスタン製品を借りる時の料金は相当高かったら
しいですね。それにもかかわらずハリウッドは全てトーキーシステムに成りまし
たよね。それだけノウハウを持っているという事だと思います。
 『555と555Wの違いについて』
木下 555と555Wはどのように違うんですか。
八島 1929年にノースカロライナ州に工場を移したんですが、同じ人間が同じ
型を使って作ったのが555でしてイリノイ州で作った物が555Wとなっています。
木下 そうしますとWの付いている物のほうが古い製品ということになりますね。
八島 そうです。ウエスタンの発表によると555も555Wも全く同じであるといって
います。これはですね、真空管でも同じことが言えまして300Bと300Aとの関係
ですが、これも全く同じ物でして、300Aが作られたのが古いだけであって、300B
との違いはありません。
木下 555を分解してみますと振動板はごく普通のアルミのように見えたんです
が、資料では材料名について何か書いてあるのでしょうか。
八島 資料によりますとジュラルミンの振動板となっています。
木下 594ですと振動板の色が全く違いますが、こちらの材質は何ですか。
八島 これもジュラルミンです。ただジュラルミンといってもピンからキリまであ
りますし、加工方法にもノウハウがありますから、ウエスタンならではの仕上が
りになっています。見た目も美しいですよね。 特にサビが出てないのには感心
しますね。ただ555は物によってはサビが出るのもあります。何故か。
木下 私が見た限りでは594のダイアフラムにはアルマイト処理がしてあるよう
に見えたのですが、いかがでしょう。
八島 ウエスタンはこれに関して一切発表していません。
 『エッジワイズ巻きボイスコイルの元祖はウエスタン』
木下 ボイスコイルを見て驚いたのですが、現代の最高級ドライバー等に使わ
れているコイルの材質、形状が当時すでにあったというのには少なからずびっく
りしました。アルミ線でエッジワイズ巻きになっているんですがアルミ線の絶縁
皮膜はアルマイトなんでしょうか。それともエナメル系のものなんですか。
八島 さあっー。絶縁皮膜についてはよくわかりませんが、ウエスタンはよくエ
ナメルは使っていますがコイルについてはわかりません。
木下 エッジワイズ巻きというのはJ.B.ランシングが始めて開発したと伝えられ
ていますが・・・・・。
八島 ウエスタンが最初です。
木下 ウエスタンの誰が開発したかということはご存知ですか。
八島 いやっー。名前まではわかりませんね。
 『555ドライバーについて』
八島 日本だけに限らずアメリカでも555もどきのスピーカーが沢山出てきまし
たが、まず何処から模倣するかというと、外形をそっくりに作りますね。しかし材
質のクオリティーが全く違うんです。ウエスタンの資料にはただキャストアイアン
としか書いてないのですが、キャストアイアンでは一番よい物は純鉄に近いも
のですよね。この純度の高い物を使っているというのがウエスタンの良さなん
ですね。ちなみに他メーカーではこの純鉄の段階で皆つまずいています。高度
な純鉄を作るには難しいのです。
木下 一部にはパーメンジュールを使っていると、よく聞くんですが、たまたま
バート・ロカンシーに直接聞いた話では、アイアンだと言っていました。日本で
はパーメンジュールだと思っている人が多いのですが。
八島 なにを根拠にパーメンジュールと言うのか、私には良くわかりませんが、
ここいらからも幻や伝説めいたものが生まれてくるのかも知れません。いくら研
究しても同じ鉄が作れないので、パーメンジュールだと思ったりするんでしょうね。
 『ウエスタンの特性について』
木下 ウエスタンを測定してみてインピーダンスカーブがフラットに出てきたん
です。ちょっと信じられないんです。
八島 そうですか。公称16Ωです。
木下 直流抵抗を測ってみても15Ω近いですね。大きな値と言えます。普通の
16オームのホーン形スピーカーの直流抵抗はだいたい10Ω前後なんです。こ
こら辺にも秘密がありそうですね。私自身の経験として現在TADブランドのプロ
用スピーカーを何種類か作っているのですが、これを開発する時に1934年の
ウエスタンの文献をいくつか読ませてもらったのですが、当時の理論を現時点
に当てはめてもまったく過不足ないもので、これに現在の素材技術と加工技術
をドッキングさせれば、セオリーは同じでも現代最高のものが作れると思うんです。
八島 そうです。そのとうりだと思います。私はね、現在の技術を持ってすれば
最高のものが出来ると思っていますし、出来ない方が不思議だとさえ思ってい
ます。
     Western Electricと真空管の歴史

 
(無線と実験 1982年7月号 HiFi の原点!! ウエスタン・エレクトリックより
                         ★安西勝太郎★

ウエスタン・エレクトリック(Western Electric Manufacturing Company=以下WEと
省略)は、すでに100年以上の歴史をもち、今までに数限りないアンプを世に出
し、今マニアの間で現用になっているものも多いようです。また、WEの真空管
を使ったアンプの記事が本誌上をにぎわすほどの人気があります(私自身もそ
のひとりですが・・) WEの歴史を網羅するにはページ数が足りませんので、今
回は創世記から1930年ごろまでの真空管にまつわる話をすすめてみましょう。
 ATT(American Telephone Teiegram)、WEの過去から現在に至る成長、経営
のあり方およびオーディオとのつながりの一端をご理解いただけたら幸いです。
WEの歴史100年
 WE社の前身は、100年にわたり事業を行なっており、1882年以来、アメリカ・ク
リーブランドで、グレイ・バートン社として開業され、その創業者は発明の才能
優れた大学教授エリッシャー・グレイとそれ以前ウエスターン・ユニオン社の電
信会社の副社長アンソン・スティガー将軍でした。最初わずかな資金でスタート
した彼らの事業成功の要素はなにでしょう・・・・・・。創造力、活力、決断力ならび
により良いサービスの提供があると確信し、まずはクリーブランドで事業を開始
し、後にシカゴに移転、電信機器や電気器具の製造と修理を行い、堅実な会信
という信用を確立することを当面の目 標として出発しました。 まもなく、その
仕事の質が良くサービスが完全だと信用を得て、企業からの注文がしだいに増
し、1872年までにこの商会は、30万ドルのウェスタン・エレクトリック製造会社に
成長しました。1876年、電話が発明されてからは、WEは新しい機器を競合製造
する6社のひとつとなり、そのわずか5年後にベル会社は規格統一をして標準化
された機器を確実に供給する製造業者が必要であると判断し、早くも1882年に
はWE製造会社の経営権をにぎり、さらにすすんでウエスタン・エレクトリック会
社としました。製品のデザインの品質とが優秀であり、従業員がお客に最高の
サービスを提供しているということを、この商会ははっきり証明しました。WEは
ベル・システムの製造部門となり、ともに発展を続けました。
1898年(明治30年)に、WEは早くも日本に進出し、外資提携会社の第1号として、
現在の日本電気(NEC)の設立に力を貸しています。85年も昔のことです。
 WEのトレードマークとNECのそれが、兄弟のように似ているのも、この間の歴
史の一端を示しています。このころ、日本では明治時代の始まりで、明治2年18
69年)東京ー横浜間電信開始、明治5年(1872年)新橋ー横浜間鉄道開通、明
治10年(1977年)西南の役  東京ー横浜間電話開通という状況でした。1876
年びアメリカで発明されたばかりの電話が、もう日本で開通とは大変なことです。
電話は、1876年のアレキサンダー・グラハム・ベルの発明以来、急速に発達し
「ベル・システム」方式により、さらに通信量、信頼性が大きく向上し今日に至っ
ています。ベル・システム(Bell Sysyem)の基本構造は、電話を世界中の人達に
経済的に、また安心して使ってもらうためにシステムを研究、供給、運用という3
分割とし、各社一体となって協力し事業の発展を図るというシステムです。研究
は、ベル・テレホン・ラボラトリーが当り、提供(機器の製造)はWE、運用(まとめ)
はATTが受けもつという具合です。

ATTのこと 
 ATT方式とは、地上最大の企業といわれるATT(アメリカ電話電信会社)の経
営方式のことで、ベル・システムとも呼ばれています。 ATTは、全米に22ある
地域会社とベル電話研究所、通信機メーカーのウエスタン・エレクトリックなど
の上に君臨する持ち株会社で、グループ企業の従業員は100万人を超えてい
ます。 そして、長距離通信を担う基幹回路網を直接管理し、地域子会社がそ
れぞれの地域内で通信サービスなどを行う仕組みになっています。また、各子
会社に対し通信機器の提供や資金面を含めた経営上の援助をする代わりに、
各子会社から収入の1.5%〜2.5%を受けとって成り立っています。22の地域会
社は、電話料金、サービス面などで互いに競合するので、いわゆる競争原理
が働き、企業活動、サービスは常に向上するというわけです。

真空管の成長とWE社
1992年、イギリスのフレミングが2極真空管を発明し、ダイオード名付けました。
また、1906年には ド・フォレが3極真空管を発明して、その増幅作用を利用し
たシングルのオーディオ・アンプを発表しました。彼は真空管の改良、研究とと
もに各種サーキットも開発して、1912年にはマルチステージのトライオード使用
のカスケード・アンプへと発展させました。これが真空管アンプのオリジナルとい
えましょう。 このド・フォレの真空管をいち早く生産に移したのはWEですが、191
5年には、バージ ニア・アーリントンで大陸横断電話回線の実験が行われてお
り、ここですでに550本の真空管が使われたといわれています。 また、 この前
年の1914年(大正3年)に、日本海軍は苦心の末、ATT製真空管を入手した・・・
・・とあります。しかし、これらの実験の製造はWEという公算は大です。 同じく
1915年にはATT・WE真空管式無線電話装置により、アメリカーフランス間の通
信成功とあります。 1917年には、電話局のレピーターに今日の直熱型3極管と
同じハシゴ型グリッド電極構造をした真空管が使用されております。
 1917年、WEはVT-1、2という2種類の直熱型3極管をアメリカ ・シグナル・コー
ポレーション向けに作りました。VT-1は受信用万能検波増幅管で、ラジオの初
期にRCAが作ったUV-201型の原型といえるものです。VT-2は送信用の5W級
発振・変調管で、オーディオ・アンプのパワー・ステージにも利用されました。
これがパワー管の初めといえるようです。1919年、WEはさらに大出力のパワー
管、50Wの大型送信管型WE-211を発表しました。また、受信用として乾電池で
も使用きるエコノミーな小型管WE-215というピーナツチューブを作りました。 
そして、翌年には一般民生用真空管の量産も始めました。しかし、一般商品の
発売はRCAが先行し、1919年にWEのVT-1に似た定格をもつUV-200および
201を発表しております。この真空管の製造元はGE(ジェネラルエレクトリック社)
でした。1920年、アメリカのH・アーノルドが酸化物陰極を実用化し、電子放射
線量は、従来のタングステンに比し向上しました(現在の通常の受信真空管の
陰極と原理的にはほぼ同一)。 また、アメリカWEによるKDKA局より、世界最
初のラジオの正式放送が開始されるなどに伴い、送・受信用真空管に対して質
量とも大きな期待がされるようになりました。1912、I・ラングミュアによって発明
されたトリエーテッド・タングステン・フィラメント使用の高品質真空管199・201A
の製造が開始されました。 これらの真空簡に対する基本技術は徐々に開発さ
れ、現在の真空管の原型がほぼ出来上がりかけてきました。1924年(大正13年)
オランダ・フィリップ社は傍熱型酸化物陰極受信管の製造を開始し、日本では東
京電気がトリエーテッド・タングステンフィラメントの199・201を発表し、またと東
京・名古屋ではラジオの本放送が開始されました。その開始とともに日本では
最初のラジオ関係の雑誌『無線と実験」が創刊されたのです。

ヒーター、フィラメントの構造
真空管の陰極は構造によって直熱管型と傍熱管型とがあり、直熱管型の陰極
はフィラメントといい、傍熱管型のそれは別に設けた加熱体の輻射により陰極
を加熱し、この加熱体をヒーターといいます。また、現在使用されいる陰極は主
として次の種類です。 (a) タングステン・フィラメント:所要の放射電流(エミッシ
ョン)を得るためには動作温度を高く (約2,500K°)する必要があり、それに従
い加熱電力が大きくなるので、最近では保守用や特殊用以外にはあまり使わ
れません。(b) トリウムタングステン・フィラメント:タングステンに1〜2%の酸化
トリウムを混入したもので、表面をある程度炭化してあり、還元されたトリウム
原子がタングステンより低い温度(約2,000K°)でかなり良好な電子放射が得
られるために、送信管では最も使用されています。 (c) 酸化物塗 布陰極(
カソード等):通常、ニッケルを基本金属としてその上に、酸化バリウム酸化ス
トロンチウム等の酸化物を塗布したものです。その還元された金属原子により、
良好な電子放射が得られ、動作温度はトリウムタングステン・フィラメントよりさ
らに低い(約100℃)ものです。しかし、傍熱型のものでは加熱体となるヒーター
は通常、タングステンや合金が用いられます。さて、WEの歴史はそのままが優
れた高信頼の通信用真空管の開発・製造・応用の歴史といえます。WEのオー
ディオ用バルブのほとんどは電話のサービス網の拡大とともに、伝送系に使用
する目的で開発・製造されてきました。1930年代に入り映画産業の発展に伴い、
世界最高といわれるウエスタンーン・トーキー・システム(映画発生装置の開発
製造業)まで手がけ、オーディオ用直熱3極出力管のWE-300A(B)やビーム型
出力管のWE-350A(B)など、歴史に残る名出力管が生まれてきました。この間、
特記すべきオーディオ管は、電話用として開発され最も多量に使用されたとい
う#100シリーズのオーディオ管のことです。


WE #100シリーズの真空管

WE#100シリーズは、電話用に真空管が始めて実用化されたころに端を発し、
ほぼ半世紀にわたって多数使用され、現在でも一部分の海底電線のケーブル
中継基地で、また搬送式通信装置、電話用通信能力測定などを含めこれほど
大量に使用された例は他にありません。 WEが開発した#100シリーズは、真
空管界の最大の「功績者」としてエレクトロニクスの歴史に残るでしょう。このシ
リーズのバルブは定格内で使用した場合、持久時間も数万時間におよびイニ
シャル性能を長期間保持します。 WE-100シリーズは3大別でき、万能管ともい
うべきWE-101D、高μ検波増幅用WE-102D、さらにオーディオパワーチューブ
WE-104があります。ともに直熱3極管として真空管の教科書どうりの基本構造
で、ウエスタン3極管の原型ともいうべき、2枚の平行したプレート、M型、V型に
張られた酸化皮膜(オキサイド)フィラメントおよび梯子形格子のグリットの板極
管です。プループは丸く、排気孔は上部でシールされています。
ソケットはWE-100L型で(通称スモールUVタイプ)で、ベースのバイヨネット・ピ
ンで固定されます。この形状はタマ→ナス管→ドーム・トップのST管に変更され
ましたが、規格・性能などは全く変えられておりません。 Dタイプは後にフィラメ
ント定格を改め、Fタイプ(4.5V、1Aで4.5Wを4.0V、0.5Aの2W)と省エネルギー化
して、この時点から特有の逆形フィラメントになり、プレートも板極からアンドン
型へと移行します。この逆3V型フィラメントの真空管の代表としてVT-25が上げ
られます。
以上のようにWEは、真空管材料の研究を続け、成長していきました。

真空管のプロポーション
 この当時はまだ欧米各社とも真空管の規格・プロポーション等も、十分に共通
化(標準化)されておらず、各社各様でした。 WE-100シリーズの系列として当
時の日本では、1928年(昭和3年)に日本電気K.K.(NEC)が下術提携を結び
WE-100シリーズと同じ型番の真空管の中継用101Dと102Dを製造し、この技術
を基礎とし各種の通信用真空管を製造しました。同じくイギリスのETC社では
WE-101D・102D・104Dのオリジナルから、改造したSTC4101G・4102G・4104Gシ
リーズを電話用に製造しました。また、WE-101Fタイプを更に小型化した
TC4019A・4020A(120改)シリーズも作られました。これらは広い意味で、いず
れも101のファミリーといえましょう。
高性能WEの光電管
 トーキー映画のフィルムの“音”再生には光電管をはじめ周辺機器の基本性
能が品位を決定します。WEでは、このトーキーの開始と同時にすでに世界最
高といわれる光電管も開発しており、これにより名声を更に高めました(光電
管は光の入力エネルギーの変化を電気的の変化に変換するバルブです)
35mmのトーキーフィルムのサウンドトラックの占める幅は約2.5mm、録音
方式は通常(黒色)密度の変化や面積変化の2方式ありますが、いずれにして
も、サウンド・トラックの流れにより録音(録画)された光エネルギーの変化を、
光電管により電気的シグナルの変換させ、このオーディオシグナルをイコライ
ジング(F特をフラットに直す)し、トーキー用アンプを動作させます。  WEのオ
ーディオバルブの黄金時代、1930年初めより年の中頃までの代表的なA級動
作の真空管の出力は0.87から650W、プレート電圧は350〜12500Vで、大出力
の真空管は主としてオーディオモジュレーター(放送機用変調機)に使用されて
いました。 いずれも、WE直熱・純3極管のはずです。現在私達が、無理なく自
作に使用できる上限は242Cの2W(RCA211相当)と284D(RCA845と近似)の40
Wですが、212E、241B、308B(フィラメント14V、6A)もB電圧を1000Vに定めると
すると、20〜30Wは得られるはずです。また、242CはB電圧1000V時に出力15
W、284Dは27W前後となります。WEのオーディオ用パワー管といっても、B級
大出力用は殆どが放送機の変調機用です。しかし、純3極直熱出力管のハイ
パワーアンプの音色、迫力はまた格別のものであります。PP動作でもA級シン
グルで出力が僅かに4Wの268Aが同じB電圧で12倍の50Wと示されております
(この例は特別としても・・・・)。 242C/211E 1250VのA級シングルで22WがB
級PPでは200W、284DではA級S40Wから140Wに増強されます。 242CがA級
S時22Wから200Wと9倍もパワーが増え、284Dが40Wから3倍弱の140Wしか増
えないのは、不思議に思う方もあると思いますが284DはA級オーディオ専用管
で、Eb 1250V時、Ib 68mA、バイアス電圧はー218Vと非常に深くGグリッドをフ
ルドライブするには約440Vppのシグナル電圧が必要です。しかし、A級シング
ルで40Wのオーディオ出力が得られます。これに比較し、242Cはほぼ同じオペ
レーションでバイアス電圧は、-75V前後でドライブ電圧は150Vpp、A級シング
ル時の出力は22W程です。242CをB級ppのパワードライブを行うと(外形は同じ
でも送信用万能管ですから・・・・)。ドライブパワーにほぼ比例して出力は増加し
200Wのハイパワーが得られます。また、295A、331Aも(フィラメント電圧10V3.25
A)B電圧を1000V程のリレーティングを行い、約200Wの出力が得られます。 
見慣れない型番のバルブでもオーディオアンプに使用すると、きわめて良好な
WEトーンが楽しめそうです。WEの資料を調べてみると、次から次と新事実、技
術の源流を知る歓びとともに、今までの不勉強 にいまさらながら恥ずかしくな
ります。
Western Electric Sound
 偉大なるウエスタン・エレクトリック
  
《その足跡を訪ねて》 
   ◎倉持公一 より
トーキーシステムの始まり
 
(前略)一方、1925年にワーナー社とW.E.の共同出資によって、サミュエル・
ワーナーを社長とするヴァイタフォン社が発足する。その商標、ヴァイタフォン
による初めての映画として、翌年8月にニューヨーク・フィルハーモニックの音楽
をフィーチャーした『ドン・ファン』が封切られる。 ハリウッドにおけるトーキー映
画の製作プランがただちにスタートして、そのための防音設備のあるスタジオ
が音響学のエキスパートの知識を集めて建てられた。 アル・ジョンソン主演の
トーキー映画『ジャズ・シンガー』の撮影は1927年の4月にスタートし、同年10月
にニューヨークで封切られる。この映画の成功があまりにセンセーショナルだっ
たので、もはやすべての映画製作者たちは、トーキー映画の定着を信じないわ
けにはいかなくなっていた。この、『ジャズ・シンガー』のトーキー再生につかわ
れた『ヴァイタフォン・システム」は、録音された音の情報が直径16インチ
33.33r.p.m.のディスクに刻まれている。このディスクを、フィルム・プロジェクター
のモーターとギアで結んでシンクロナイズさせたターンテーブルの上で回す。 
ディスクに刻まれた音を拾いだすのは『4-A』リプロデューサーだ。アンプは『8-
A』と『9-A』または『10ーA』、後に『41-A』と『42-A』『43-A』が用いられて、スピー
カーは『555』レシーヴ ァーに『12-A』と『13ーA』ホーンをそれぞれ数台組み合
わせたものだった。 
 (後略)
Western Electric
WE 17-A Horn/WE 15-B Horn System
 
systemG ウェスタン・エレクトリック
 
WE 15B+WE555×2+WE31ホーン+WE594+ELUTAS 4181×2
を鳴らす

 
WE15Bホーン{1928}+WE555×2+エルタス4181×2
+WE31A ホーン+WE594
 ←WE86Cアンプ(300App)
 ←FM ACOUSTIC 122←RYLEC検聴用プレーヤー←EMT RF297
 ←ORTOFON TypeA,B,Cカート(振動系の違いです) 
=MERIDIAN208   CDプレーヤー
Western Electric
WE 15-B Horn
 
 

音の逸品館 (1926〜2016) vol. 42
Western Electric
WE17-A Horn/WE15-B I Horn System
ステージ・スピーカーシステムに用いられたウェスタンの主力木製ホーン。
1928年開発。
555レシーヴァーと7-Aアタッチメントを加えたシステムとして、15-A のコード番
号が与えられている。シナ材の3層ベニア(薄板の木目を直角ではなく、同方
向に揃えて貼ってある)を蒸気で湾曲させ、ニレ木材のフレームに固定した木
製部(2ピース構造,アタッチメントのキャストアイア ン部分(2ピース構造)が、
ボルト・ナットで結合されている。ホーン側部に示されている点線は、音軸を示
すもの、レシーヴァー・アタッチメントは7-Aが555×1基用、8-Aが2基用、16-A
が3基用,10-Aが4基用,と4種類がある。 7-A使用の場合、音道長は約14フィー
ト(4.27m),
カヴァレッジ・アングルは水平30度、垂直40度。 
外形寸法は全幅=6.375インチ(143.2cm)、
全高=70.5インチ(179.1cm)、
奥行=53.125インチ (134.9cm),重量=140ポンド(63.4kg)

{ステレオサウンドK.K.発行 WESTERN ELECTRIC SOUNDより} 
 新忠篤さん筆
 最低周波数は57Hz

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ウェスタン・エレクトリック
WE 15B+WE555×2、WE594+WE31ホーン、4181×2
、15A HORN
DESCRIPTION-EXPONENTIAL(WOOD)
HOR. COVERAGE-40 DEGREES
VERT. COVERAGE-60 DEGREES
WEIGHT-150 POUNDS   1928
Western Electric
WE17-A Horn/WE15-A Horn System
 ステージ・スピーカーシステムに用いられたウェスタンの主力木製ホーン。
1928年開発。555レシーヴァーと7-Aアタッチメントを加えたシステムとして、
15-A のコード番号が与えられている。 シナ材の3層ベニア(薄板の木目を
直角ではなく、同方向に揃えて貼ってある)を蒸気で湾曲させ、ニレ木材のフ
レームに固定した木製部(2ピース構造)、アタッチメントのキャストアイアン部
分(2ピース構造)が、ボルト・ナットで結合されている。ホーン側部に示され
ている点線は、音軸を示すもの、レシーヴァー・アタッチメントは7-Aが555×1
基用、8-Aが2基用、16-Aが3基用、10-Aが4基用、と4種類がある。
 7-A使用の場合、音道長は約14フィート(4.27m)、カヴァレッジ・アングルは
水平30度、垂直40度。 
外形寸法は全幅=6.375インチ(143.2cm)、全高=70.5インチ(179.1cm)、
奥行=53.125インチ (134.9cm)、 重量=140ポンド(63.4kg)

{ステレオサウンドK.K.発行 WESTERN ELECTRIC SOUNDより}  
  新忠篤さん筆
 最低周波数は57Hz 
伊藤喜多男師筆
音響道中膝栗毛より
伊藤喜多男師筆
続音響道中膝栗毛より
 
 
Western Electric
WE 555
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
音の逸品館 (1926~2016) vol. 41
Western Electric
WE 555 Receiver

 
『555-W』は1926年、本格的に始まったトーキー映画ヴァイタフォン)用に
開発された、
ウェスタン製のレシーヴ
ァー
(スピーカーのことを同社では伝統的にレシーヴァーあるいはラウド・スピーキ
ング・テレフォン=L.S.T.と呼ぶ)である。形式的には世界初の業務用ムービン
グコイル型コンプレッション ・ドライヴァーであり、12-Aホーンをスクリーン上部
に、13-Aホーンを舞台下のオーケストラ・ボックス内に設置し、『555-W』と組み
合わせただけで、数百人〜2千数人規模の客席を持つ劇場のすみずみまで、
充分に音のサーヴィスすることができた。ちなみに、そのころの同社のトーキ
ー用アンプリファイアー(以下アンプ)は、主力であった8-A+9-Aで1.69W、ブー
スター・アンプの10-Aを付加しても19Wという驚くべき小出力であった。
 『555-W』(当初、製造ははイリノイ州ホーソーン工場で行なわれていた
がSerialNo.20.000盤台からノースキャロライナ州バーリントン工場に移管され、
〔W〕のサフィクスを省略)は、従来のスピーカーの常識をことごとく打ち破る、
革命的な製品として彗星のように登場した。軽量なアルミリボン線によるエッジ
ワイズ巻きヴォイスコイル(90%以上が導体で占められる)の採用、正中断面
がM字状にらる17STアルミ合金ダイアフラムには、同社のハリソンC.Harrisonの
発明によるタンジェンシャル・エッジが採用され、大型ホーンとの組合せのフル
レンジ使用による大振幅を可能にしている。さらにダイアフラム前方に近接し
て設けられたフェイズプラグも、特許の範囲に含まれる。業務用に求められる
絶対的耐久性、高感度、広い周波数特性とダイナミックレンジ、加えて低比率
を実現したこのユニットは、またたく間に世界を席巻する。 中略
 ホーンとの組合せによっては、帯域バランスや指向性、エネルギー感が微妙
に変わるため、設置する部屋や好みの音楽に合せて選択できる愉しみがある。
まず、最も著名で我が国のシアターでも多用された15-Aホーン・システム(17-A
カーブド・ホーン〔3層の合板製〕+7-Aレシーヴァー・アタッチメント+『555』)を一
応の標準として、それぞれの大まかな傾向を比べてみることにする。この15-A
ホーン・システムの特徴は、フルレンジで用いた場合、開口部が大きい(52×52
インチ〔132.1cm〕、カットオフ周波数57Hz)ためか、かなりの低域までフラットな
レスポンスを持ち、しかも一般的なコーン型ウーファーにありがちな押しつけが
ましさが一切ない。SP盤が特にいいが、モノラールのLPぐらいまでは、いまもっ
て超一流のサウンドが得られる。そしてホーンに近づいても離れても音量差を
あまり感じないのは、開口部の波面が平行面に近くなっている証拠である。 
6-Aと11-Aは残念だが割愛する。12-A(カーブドホーン)は13-A(フォールデッ
ドホーン)と同時開発の“ヴァイタフォン”最初期の傑作で、双方ともソリッドウッ
ドを繋ぎ合わせた豪華版である。適当な内部損失と重量(12-Aは180ポンド
〔81,5kg〕、13-Aは250ポンド〔113.3kg〕が功を奏して、クリアーで彫りの深い陰
影に富んだ表情を得意とする。公表されているカヴァレッジ・アングルは水平30
度、垂直40度だが、実際には開口部の平行面の反射があるためか、水平の
指向性は意外に広い感じである。12-Aは電気吹込み方式のテスト時のモニタ
ーに多用されたのは当然だろう。13-Aのほうは音道が長く、2回の折り返しが
あるせいで音が低域寄りになる。
中略
 また後の“ミラフォニック・サウンドシステム”になってから使用された25-Aホー
ン(フラットフェイス、15セル・メタル・ストレート)は、2ウェイシステムで使用した
時にひじょうに使いやすいホーンとして、忘れることはできない。
 中略
 大まかなところだけ述べると、まずバックチャンバを塞ぐ蓋だが、ワイヤークロ
スとブラス板の2種類がある。これは特に低域に関する差があり、伸びとダンピ
ングの面ではクロスに軍配が上がる。
 中略
 フィールドコイル励磁電源のタイプによる音の差はかなり大きく、タンガーバ
ルブは艶の乗った澄み切った音、セレン整流器は引き締まったデリケートな音、
バッテリーは近代的な切れ込みの鋭い音、
といった傾向を示す。

『555』を現代に活かすには

 
15-Aホーン・システムは、映画館の標準システムといっても過言ではないほ
ど広く普及した。これを41-A+42-Aまたは46-Aアンプと組み合わせれば、往
時の音をそのまま愉しむことができる。もし、このようなシステムが入手できたと
したら、ホーンを天井吊りにし、音軸をリスニング位置に合せて、まずはフルレ
ンジで鳴らしてみることをお薦めする。音響製品に関するさまざまな悩みを一掃
してしまう。説得力のあふれるサウンドに圧倒されるはずである。また、レシー
バーを複数個使用も興味深い結果をもたらすことは確実で、これは17-Aホー
ン以外のホーンでも同様である。通常、高域のレンジが拡大し、静寂感が増し
てくる。より高度な使い方を追求し、現代のデジタル・ソースまでの適応を考慮
するならば、同社の2ウェイ〜3ウェイ(ワイドレンジ・システム)への展開を図っ
たのと同様のテクニカル・スキルを、オリジナル通り踏襲するのがベストである
それが1933年、バッフルに1〜6本の『TA-4151-A』(D.C.型は『TA-4153-A』を
加えて低域を強化し、高域に「596-A』/『597-A』をプラスしたシステムである。
そして、ここにウェスタン・サウンドは一つのピークを迎えることになる。
 中略
 ウーファーは後面開放型キャビネットかプレーンバッフルに取り付けるのが、
『555』とのつながりをスムースにする鉄則で、トゥイーターは1〜4μFのコンデ
ンサーにより低域をカットして付加すればよい。 いずれにしても『555』になるべ
く広い帯域を受けもたせるのがコツで、ディヴァイディング・ネットワークもオリ
ジナルを参考にいろいろ試してみたい。『555』でレコードを鳴らすと、演奏家の
肌のぬくもりが一緒につたわってくるような感じがありありとする。
そこには“音”だけではなく、“音楽”がある。 『555』は工業製品でありながら、
工芸品の域にまで達した、たぐい希な存在である。

{ステレオサウンドK.K.発行 WESTERN ELECTRIC SOUNDより} 
 新忠篤さん筆 
 
 
池田 圭先生が著した『音の夕映え』に
“スピーカの中で暮す日々”の文章がある。
オーディオに全てを捧げた師の心境、少しは見習いたい。  
 世界の超一流品が集まり始めると、楽しさよりは苦しみの方が度を加
えていった。毎日毎晩のように火事の幻覚や夢に魘され出した。その頃は
木造の家屋に住んでいたので、周囲をブロックの塀で囲ったが、こんどは
飛び来る火粉が現の僕を苦しめるようになった。とくに昭和の初め頃からあ
こがれの的であった米ウェスタン・エレクトリックの15Aホーンを東洋支社か
ら戴いてからの苦しみは、僕をしてコンクリートの巨きな箱を作らせることを
思いつかせた。それが鉄筋壁構造の柱無しの一階建のスタジオである。
広さは約二十四畳で、別に超低域スピーカー用六畳の部屋があり、これが
キャビネットともなり、録音用のモニター・ルームにもなっている。ガラス窓
のあるのもそのせいである。この外に化粧室や台所もあって一応まさかの
時には暮せるようにしてある。 けれども、僕は住宅の方で休むことはあっ
ても、真夜中とか夜明けに一度はスタジオを見廻り、そのままデイ・ベツトで
眠ってしまうことが多い。スタジオには、明治時代の蓄音機から現代の音の
録音・再生装置が揃えてある。聞く、読む、見る、最近は殆ど外出すること
がない位ここで楽しんでいる。もとより難攻不落の城ではないが、落城の
時はここで死ぬ覚悟を決めているせいか妙に落着きを感じる。 来客は多
い方かも知れない。それらの人々が最近のオーディオ界の話題を運んでく
る。
新製品も持ち込まれる。けれどもそれらによって僕の装置がよくなった
ことは、ひと昔以上からあった例がない。音作りはスピーカーによって定まる。
このことを約五十年前にその姿をトーキー劇場で現したこのスピーカーが
物語っているような気がする」

 池田圭先生のスタジオに何回か訪問する機会があり、クラングフィルム・
オイロッパの音を所望しましたが、体調を崩されて以来聴いていなく音が出
るかどうかとのお言葉。 同行した友人達が配線のチェックなどをして第一
音が出たとき同行の友人の目に涙を見ました。師もその後元気を出され我
が家にもいらしていただき、低音の悪さを指摘してくれました。
 オーディオをやっていて尊敬する方々とお逢いできる機会を得れることが
最高の勲章となります。



                                             伊藤喜多男師筆
 
Western Electric
WE 31-A Horn
ウェスタン・エレクトリック
WE31Aホーン
 ツイーターとして使用
31AHORN
HOR. COVERAGE-120 DEGREES VERT. COVERAGE-40 DEGREES
WEIGHT-9.5POUNDS
FREQUENCY RESPONSE-400-10,000CYCLES/SEC WITH 594A RECEIVER
WE594 LOUD SPEAKING TELEPHONE
WEIGHT-30 POUNDS
DIAMETER-7 INCHES
FIELD COIL-24 VOLTS DC 18 OHMS DC 32 WATTS 1.3 AMPERES
VOICE COIL-12 OHMES DC
Western Electric
WE31-A Horn

 
モニター用またはP.A.用アルミニウム・ダイキャスト製ホーン。594-Aとの
組み合わせの他27-Aレシーヴァー・アタッチメントを使用し、713-A/B/C
720-Aレシーヴァーとの組合せも可能。カットオフ周波数は300Hz。120度
の水平カヴァレッジ・アングルはウェスタンのホーンで最大。
垂直は40度。サイズは全幅23インチ(58.4cm)、
全高9インチ(22.9cm)、奥行15インチ(38.1cm)、
 重量9.5ポンド(4.3kg)。 周波数レンジ300Hz〜10kHz(594-A使用時) 
WE 594-A Receiver
 
1936年、“ミラフォニック・サウンドシステム”と名づけられた新型トーキー
映画再生装置が、ウェスタン/E.R.P.I.から発表された。このシステムこそ、
同社がそれまでに蓄積した、理論解析とテクノロジーとノウハウの集大成で
あり、結果として映画音響の分野における一大金字塔を築くに至ったので
ある。なかでもスピーカーシステムには「ダイフォニック」(2ウェイの意)とい
う名が与えられ、新時代の到来を高らかに謳いあげている。 この「ダイフォ
ニック」の中・高域を担うのが、『594-A』レシーヴァー(『555』も一部使われ
た)で、.C.Wenteの手によるものである。基本設計は、193 3年4月に行な
われたフィラデルフィア〜ワシントンDC間の3チャンネル立体音響伝道実験
に用いられた中・高域ユニットと変わらないが、業務用としての利便性と量
産性を高めるために、一部のデザインの変更を受けている。その主たるも
のがターミナルの位置と形状、ヴォイスコイルのリードアウト部、レシーヴァ
ー・アタッチメント取り付け部(ネジ込み式からボルト・オン式に。それに伴
い防塵用のシルクネットを新設)などがある。しかし、これらは全体の設計
理念に影響を与えるほどではなく、バック・プレッシャー型のこのユニットは、
その後のコンプレッション・ドライバー設計の主軸たるべき偉大な革新性を
持つものであった。ヴォイスコイルは0.016×0.025インチ(0.41×0.64mm)の
エッジワイズ・アルミニウム・リボン線(35ターン、D.C.抵抗は12.5Ω)で、直
径は4インチ(10.16cm)。0.002インチ(0.051mm)厚のプレーンなエンボス
加工の施されたダイアフラム(アルミニウム合金製。パテントにはジュラル
ミン製と記されている)に、クラフトペーパーのライナーが熱硬化性の樹脂
系接着剤で内貼りされ、裾が固着されている(形状は細かい台形か波形)。
ダイアフラムのエッジは、“annular compliance”と呼ばれる、比較的狭いロ
−ルエッジである。また、ダイアフラム全体の色が何種類か存在し、音の違
いが云々されることもあるが、これは防錆のためのフェノール系塗料による
もの(ロットごとに異なる)で、基本的に音の差は全くないといってもいい。
このダイアフラムの形成はたいへん滑らかで、また同種のものと比べても
異例に弾力性に富んでいる。さらに、イコライザーの精度の高さと堅牢さも
特筆すべき点で、真鍮ブロックから削る出された4個の円錐状パーツは、
各々3ヶ所に設けられたスロットに、所定のスリットを厳密に保つようにキー
で銀鑞づけされ、ポールピースと合体した後、あらためて表面の切削加工
が行なわれる、という念の入れようである。ヴォイスコイルが入る磁気ギャ
ップの底が、キャビティ効果を生じないように塞がれているところも、先進性
を感じさせる。 
 中略
 『594-A』は、自分のことを棚においていうのも変だが、天吊りした24-Aホ
ーン(エネルギッシュな音が魅力)、26-Aホーン(スケール感に優れる)と、
理想的にはTA-7396(『TA-4181-A』レシーヴァー2本収納)あるいは
TA-7397(同4本)低域バッフルに組み合わせて(当然、非対称ウイング付属)
聴きたいものである。アンプは当然ながら86+87がベスト。『TA-4181-A』低
域レシーヴァーは、大型のコーン紙からの連想か、『594-A』に比べスピー
ド感が欠けるという向きもあるように仄聞するが、オリジナルの低域バッフ
ルとディヴァイディング・ネットワークを使用すれば、あらゆるソースでそうい
う事実はない、と確認済みである。いずれにしても、ウェスタンが、否、人類
が創出した最高のトランスデューサーは何かと問われれば、私はこの『594
-A』だと断言して憚らない。


{ステレオサウンドK.K.発行 WESTERN ELECTRIC SOUNDより}  
  新忠篤さん著 
 
 
 
Western Electric
TA-7387 Amplifier
 『TA-7387』はP.E.C.信号の増幅用、“ミラフォニック・サウンドシステム"に用い
る『1086-A』の前置アンプとして設計された。 機能は『49』と同様だが、『49』が
映写機と隣接した場所に設置するハイインピーダンス入力であるのに対し、本
機はキャビネットに収納された状態で映写機の壁に直接マウントされ、映写機
とは離れた場所に位置するため、インプット・トランスを設けたローインピーダン
ス対応となっている。アンプは262Aシングル・ステージのシンプルなものなのだ
が、アウトプット・トランス132ーCの出力側には、シャーシー内部に固定式のデ
ーヴァン製アッテネーターFP-39(巻抵抗を内臓)と、回転式アッテネーターの
TA-4190が、シリーズに結合されている。 劇場におけるステージ・レシーヴァ
ーの音量は、このTA-4190でコントロールした。 262Aのヒーター用A.C.10Vお
よび B電源200Vの供給は『86』から行われるが、特に高圧側は『1086ーA』内
の716-Aアパレイタス・ユニットを通じてサプライされる。このユニットにはリター
ド・コイルが179-Aと221-Aの2種類のヴァージョンが存在する。
一般的には、
『1086-A』ばかりがエンスージャストの間で脚光を浴び、本機はあまり目立た
ない存在だが、音量調整用のアッテネーターを持たない『86-A/C』アンプには、
必要不可欠な存在といってよく、付加することによる音質の向上ぶりは、目を
見張らせるものがある。“ミラフォニック・サウンドシステム”の本領を発揮するの
に、絶対欠かせない製品だといっても過言ではない。


{ステレオサウンドK.K.発行 WESTERN ELECTRIC SOUNDより} 
  新忠篤さん著 
 

音の逸品館 (1926~2016) Bol.84

Western Electric 1086A(86C)
1934~5年発表の[ワイドレンジ サウンド]後期型をはじめ、1936 年に発表した本格的光学式トーキーシステム[ミラフォニック サウンドシステム]の中心的パワーアンプとしての機器。本機に採用されている300Aは、1933年にジェームス O マクナリーによって開発された直熱3極出力管で、低いプレート電圧で大きな出力が得られるよう工夫が施されている。
完成度の高い86Cは1935年から提供
AC105~125V/50~65Hz使用。
出力トランスは159Bとなる。
出力15W

 
Western Electric 
86 Amplifier
 
『86』は、1934年に発表されているが、’35年のType1〜4システム、’36年
のM-3〜4“ミラフォニック・サウンドシステム”の「ダイフォニック」システムをドライ
ヴするパワーアンプとして運用、出力管300Aをプッシュプルで用いた、ウェスタ
ンでもっとも著名な製品の一つである。300A採用のアンプは、『D-95036-F/G』、
『86』、『91』、『92』と、1938年以降の製造された『TA-7467』、『TA-7477』がある
が(他に300Bを採用した『42』、『46』のモディファイド・ヴァージョンなどがある)、
ファイナルステージがプッシュプルの『86』。シングルの『91』、この2種がシアタ
ー用として、もっとも重要な存在である。 前置アンプ用電源は、『49』では714-
A(D.C.90V)、『TA-7387』あるいは『80』を用いる場合には、716-A(D.C.200V)ア
パレイタス・ユニットを内蔵する。 『86』は(A)と(C)型で最小47dbから最大99db、
(B)型で36dbから96dbの幅広い固定式ゲイン・コントロールが行えるのが特徴
である。 まず入力信号は1次インピーダンス200Ω、2次インピーダンス110kΩ、
昇圧比1:23.5のインプット・トランス261-B(パーマロイ・コア)で受ける。 『86-A』
のアウトプット・トランスは166-A、『86-B』では166-B、『86-C』では159-Bとなる
159-Bは1次インピーダンスが4.13Ω、2次が6Ωと12Ωで、6Ωのタップの場合
3.5Ω〜7.5Ωのインピーダンスを持つレシーヴァー120Ωの場合には7.5Ω〜15
Ωのレシーヴァーを接続するようにとの指示がある。 300Aのバイアス抵抗(ワ
ード・レオナルド製)は、60オームと510Ω(合計570Ω)で、ここには300A×2本
分の電流が流れるから、1本分に換算すると1.140Ωになる。わざわざ60Ωと
510Ωに分割してあるのは、B電源と510Ωの間に16μFの電解コンデンサーを
接続し、A.C.分(B電源のリップルや出力管のアンバランスから生ずる歪)をキ
ャンセルする手法である。また同時に300Aの、高域における電源インピーダン
スを下げる効果もある。『86』はウェスタンで最初に本格的に電解コンデンサー
(エアルヴォックス製)を採用したアンプで、これも画期的なことであった。
『86-A』『86-B』とも、パワー・トランスには当初60Hz専用のコア・ヴァリウムの小
さめのもの(323^B)が採用されたが、発熱およびレギュレーションの点で不利
なため、1935年に47Hz〜63Hz対応のD-96970に交換された
『B-86-A/c-86-A/86-C』が生まれる。『86』は、映画産業の隆盛の波に乗った、
ワイド・フリクェシー&ヴォリュウム・レンジを謳う“ミラフォニック・サウンドシステ
ム”を導入したシアター用に1934年から’37年の間、大量に生産された。客席
数が800〜1500席、100,000〜250,000立方フィート(2,831〜7,079m)のエア・ヴ
ォリウムを持つシアターでM4システムや、M3システムにおけるステージ・レシ
ーヴァー駆動用の終段アン プとして充分な実力を発揮した。TA-4161-A低域
レシーヴァー、594-Aレシーヴァー、26-Aホーンを主体とする“ミラフォニック・サ
ウンドシステム”を本機で鳴らしてみると、わずか15Wの出力であるにもかかわ
らず、その卓越した表現力、色彩感豊かな描写、そして圧倒的な重量感は現
代の数百Wのアンプに勝とも劣らないことを強烈に思い知れされる。オーディト
リアムにおける音響機器のテクノロジーは、1930年代にはすでに完成の域に
達していた。それが現代民生用オーディオシステムにあまり継承されていない
ことは残念でならない。音響技術および音楽ソフトの分野に関しては、S/Nが改
善され、ダイナミックレンジおよび周波数レンジも拡大してきたが、その代償とし
て失われたものも多いことを考え直す時期に来ているのではないだろうか。
  
{{ステレオサウンドK.K.発行 WESTERN ELECTRIC SOUNDより}
  新忠篤さん著  
 
 
 
 
 
 
 
 
現在300A、入力310Aメッシュにしてプリメインに改造。
自慢は274Aナス管です。
 
 
 
伊藤喜多男師筆
 
 

音の逸品館 (1926~2016) vol. 86

Western Electric 87 Amplifire
86-Aとほぼ同時期に開発、1935年から使われ始めた大出力ブースター・アンプ
で、86の出力により駆動することを前提に設計されている。出力管284Dは、242
Cと同等のプレート損失85Wの大型3極管で、1.9kΩ(242Cは3.5kΩ)と大幅に内
部抵抗が低くなるように設計、オーディオ帯域用としての性格がより強くなって
いる。バイアス電圧も-220Vと深い。スケール感豊かなサウンドは大劇場にお
いてもまったく他を寄せつけず、現在このシステムを駆動してもパワー感、周波
数レンジともに何の不足も感じ取れない。その後の多極管によるハイパワーア
ンプや、現代のソリッドステートアンプと比べるとスペック上の出力は少ないが、
聴覚上ではそれ以上のものを約束してくれる。
87の最大の魅力は、D-95659あるいはD-98539トロイダル型アウトプット・トラ
ンスが採用れていることに尽きる。
B電圧が1000V以上のなる。
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

音の逸品館 (1926~2016) vol.87

Western Electric 131-A モニターアンプ

WE 25Bコンソール・モニター用パワーアンプ
348×2, 349×2 全段プッシュプル

 
 
 
 
 
 
 
 
 このサインはウェスタンの発声装置を設けた劇場の入り口に誇らしげに
掲げられていたものです。ウエスタンとしては珍しくTalking Pictures at
theit Best!と書いてある、その自信の程を見せている。 これは1933年に
作られたもので当時のアンプリファイアーは41・42・43型、また12A・13A・14
Aホー ンと555Wが使われいました。なんと75年前のことです。 
 (2008年記)
Western Electric
WE12-A Horn+WE13-A Horn System
 
 
 

池田圭 著 「盤塵集」より 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

   
 
 
ヴァイタフォン(Vitaphone)・システム 1927
systemF ウエスタン・エレクトリック WE12A+13A+WE555W
を鳴らすシステム
WE12A ホーン{1926}+WE13Aホーン{1927}+WE555W
←JEWELL SOUND LABORATORIES 映画館用アンプ
(2A3pp+フェランティー入力トランス)
 又はWE41、WE42、WE43アンプ←WE49プリ
←RCA Type 70-D Transcription Turntable
←FM ACOUSTICS FM 122 Phono Linearizer/preamplifier
←WE5Aアーム←WE9Aカートリッジ
=GRAY MONOアーム←GEバリレラ(SP
用)
 又はWE D86850プレーヤー(WE2Aアーム←WE4Aカートリッヂ←鉄針)
 音の逸品館 (1926〜2016) vol.21
Western Electric
?#?WE? 12-A Horn
555レシーヴァーと並行してビクターに依頼して開発された
ステージ天吊り専用カール型木製ホーン
ソリッドウッドが使われリジットに作られ音のヌケのよさは秀逸
音道長3.35m
カヴァレッジ アングル水平30度
垂直40度
外寸、全巾114.3cm、
全高171.5cm
奥行119.4cm
重量90.6kg
開口部114.3×114.3cm
#WE 13-A Horn
ステージ下部設置用フォールデット型木製ホーン
音道長4.27m
カヴァレッジ アングル
水平30度
垂直40度
外寸
全幅157.8cm
全高147.3cm
奥行121cm
重量113.3kg
開口部158.8×108cm
音は太くなります
1927年映画館でペアで使用
 
 
 
 
 
 
 
 
 
Western Electric
WE 12-A Horn
 
 
 
Western Electric
WE 12-A Horn

555レシーヴァーと平行して開発されたステージ天吊り専用木製ホーンで、木製部
2ピース、レシーヴァー・アタッチメント1ピース(キャストアイアン製)が結合された
形を採っている。12-Aは後に開発された17-Aよりも木部が厚く(ソリッドウッドを使
用)、リジッドに作られているため、音のヌケのよさは秀逸である。
音道長=11フィート(3.35m)、カヴァレッジ・アングル=水平30度、水直40度、
外形寸法は全幅=45インチ(114.3cm)、全高=67.5インチ(171,5cm)、
 奥行=47インチ(119.4cm)、重量は555込みで200ポンド(90.6kg)。
 最低周波数は62Hz 

{ステレオサウンドK.K.発行 WESTERN ELECTRIC SOUNDより} 
 新忠篤さん著 


Western Electric
WE 13-A Horn
 
 
 
ウェスタン・エレクトリック
 WE 555-W RECEIVER

 SPEECH COIL-12.8OHMS DC/16-25 OHMUS SPEECH/6 WATTS 
 FIELD COIL DC RESISTANCE 4.5OHMS-VOLTS-7 DC
 POWER SUPPLY-1.5 AMPS, 10.5 WATTS
 DIMENSIONS-7 INCHES DIAMETER, 4.5 INCHES HIGH
 WEIGHT-20 POUNDS 1925
 
Western Electric
WE 13-A Horn

ステージ下部設置用フォールデッド型木製ホーン、555用。クレイドルと称する台
に乗せられ、開口部に固定された金具により、21.5インチ(54.6cm)から、39.5イン
チ(100.3cm)まで高さ(角度)が変えられる。
音道長は14フィート(4.27m)、
カヴァレッジ・アングルは水平30度、
水直40度。外形寸法は全幅=62.5インチ(158.8cm)、
全高58インチ(147.3cm)、重量250ポンド(113.3kg)。
 12-Aの開口部は45×45インチ(114.3cm)、
本機は62.5インチ×42.5インチ(108cm)と大きい。 
最低周波数は50Hzで12Aと同時に鳴らすと図太い音と繊細な音の混ざり合いに
なり聴きづらくなります。
オーディオに詳しい方が資料を基に12-A:upper positionと13-A:lower positionの
記載をもって高音用、低音用の目的でないとの指摘をされています。しかし実際
に使ってみると当時ウェスターン・エレクトリックがVictorに製造を依頼した目的
は高音用12-Aは天井近くに客席に直接音が届くよう、低音用13-Aは舞台スクリ
ーン裏か舞台下のオーケストラボックスに天井に向けて高音成分が観客に届か
ないようにセッティングされたものと解釈しています。
 
 

Western Electric
203-A
Reproducer Set
 
音の逸品館 (1926~2016) vol. 89
 203-A』リプロデューサー・セットは『4-A』リプロデューサーと2-A(D-87994)
アームが2本、ターンテーブルが2台、左右にセットされたコンソール型レコードプ
レーヤーシステムである。2台のターンテーブル中央には、メイン電源スウィッチ
と、D-89345ポテンションメーターがあり、左右の出力を切り替えてレコード演奏
が連続して行なえるようになっている。映画の幕間のレコード演奏サーヴィスの
他、放送局でも使用された。『203-A』はKS-5282という、A.C./D.C.兼用の減速用
ギアを持つ、ブラシ式モーターのタイプ(消費電力100W)があり、ガバナーによる
回転調整により、 50Hz、60Hzのどちらにも対応可能である。このモデルは後者
よりキャビネットの厚みがモーターが小さくなった分薄くなっていて、重量も3分の
1程度に減少しており、可搬性は高まっているが、モーター音は逆に大きめであ
る。同じ『203-A』でもKS-5203エディカーレント・モーターが使用されており、3相
のスター結線の巻線に複合型の4個の進相コンデンサーを投入、減速用のギア
を用いずにモーター自体の回転が78rpm(60Hz)でロックする。ダイレクトドライブ
の元祖ともいえるような構造である。ただし消費電力は当然ながら180Wと、今
日的なレベルから見ると多めである
左右のプレーヤー双方には、それぞれモーターのON/OFFスウィッチが設けられ、
スウィッチをONにするとスチール製のランプシェイドが点灯し、いかにも古典的
な雰囲気をただよわせる。また、アームをアームレスト位置に収めた状態での4-
Aリプロデューサー・ヘッドの真下には使用済みの針をためる針壺があり、固定
用のスクリューをゆるめるだけでそのまま針が落下して即座に交換可能となっ
ている。針壺の左側には、プッシュし式アームリフターがあるが、これは演奏終
了後のリフトアップ専用である。当時のウェスタンのSPレコードは内周から外周
にかけるタイプでした。左右2個の4-Aヘッドの後に、それぞれ独立した7Aイコラ
オザーを介し、705-Aコントロールキャビネットに内蔵されているのと同等のアッ
テネーター部に信号入力される。出力は畏敬1系統で500Ωの出力インピーダン
スを持つ。41-Aや46-Cにダイレクト入力することでも充分な再生音量が得られる。


{ステレオサウンドK.K.発行 WESTERN ELECTRIC SOUNDより}  
  新忠篤さん著 
 
 
 
 『4-A』リプロデューサーは、L.C.Rがシリーズに結線されたイコライザーの『7-A』
と必ず組み合わせて使用された。これは信号のホット側とコールド間をシャント
するSP録音特性の等化用であり、当時約5kHzまで再生帯域を保障していた
SP盤の、不要信号を急激に下降させるハイカット・フィルターになっている。 
このイコライザー『7-A』本体のラベルにもパテントナンバーが表記されている。
 その〔No.1,453,980〕は、1923年5月1日に認可されたホイトR.S.HoytによるL.C.R
を用いたアッテネーション・イコライザーに関する数理理論であり、AT&T社保有
で、主として電話のイコライザーに多用されているものだ。『4-A』の信号は『7-A』
を通り、『203-A』リプロデューサー・セットに内臓されるD-89345ポテンショメータ
ー、あるいは別個のアッテネーション・ボックスである702-A、703-A、705-Aコン
トロールキャビネットなどを経て出力され、当時の200Ω入力をもつアンプに入力
された。また、D-86850リプロデューサー・セットに内蔵されているD-86637 L型
アッテネーターの場合は、100Ωのシリーズ抵抗を介して、出力インピーダンスを259Ωに整合させている。 本機はトーキー・システムのリプロデューサーとして
最高級の蓄音機をはるかに越えるバランスのとれた再生音を、より多くの人々
に伝達することを可能にしたもので、当時の聴衆を圧倒した製品として著名である。
 
 
 
 
 
 
 
 4-A Reproducer
1927登場、通常の鉄針が使用され、純正アームにマウントした場合、針圧は約130grとなる。鉄合金系の円盤の薄いダイアフラムは、裏面にのみ金貼りが施され、盤面に対して垂直ち位置する、蓄音機のサウンドボックスと同様の位置となる。サウンドボックスにある鉄針固定用のトンボに相当するスチール製のリブが、ダイアフラムに半田づけされており
水平方向にのみフレキシビリティを持つ。ダイアフラム内側の磁極は固有振動をおさえるため、硝酸ベンゾールとひまし油の強粘性の混合油にひたされており、振動系全体がオイルダンプ方式になっている。その再生音はピーク・ディップの抑えられた、しっとりと濡れたような、耳当たりの良い心地よいサウンドをかもしだす。L.C.Rがシリーズに結線されたイコライザーの7-Aと必ず組み合わせて使用された。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
Western Electric
49 Amplifier
 『49』は1928年、プロジェクターに付属する2Aまたは3A P.E.C.(フォト・エルクト
リック・セル)光学式ピックアップの微小信号を、ラインレヴェルにまで増幅する
前置アンプとして開発された。 「49-A/B』では、P.E.C.信号をダイレクトに電圧
増幅管239Aで受け、インターステージ・トランスを経て、出力管239Aを通り、アウ
トプット・トランス127-Cの2時側から500Ωでラインアウトしているが、1931年の
『49-C』からは、真空管が264Aに変わる。また2A P.E.C.が3Aなって出力が20db
ほどアップしたため、インターステージ・トランス246-Aを抵抗結合回路に変えて
いる。本機はローレヴェルを扱うアンプだか、各真空管に個々のシールドケース
は設けず、黒いスティール製のキャビネットにアンプ全体を収納してシールドし、
映写機のかたわらに床から鉄製のポール を立てて、その上にマウントした。
アンプ本体のコンストラクションは、真空管、トランス類をマウントしたサブシャー
シーが10本のスプリングで揺り籠のように外枠から吊り下げられ、スプリング自
体に通電性を持たされ、信号、電源などの電流の経路となる。このフロティング
機構はローレヴェル増幅での、マイクロフォニック・ノイズやアコースティック・フィ
ードバック防止に効果絶大だ。『49』のフィラメントは、ほとんどバッテリーにより点
火(D.C.12V)されたが、P.E.C.のポレレイジング電源を兼ねるB電圧90Vは、『42』、
『46』のB電源から、D-9610または700-Aフィルター・ユニットを通じて供給される。
現在、『49』をフォノイコライザーに改造して使用する向きもあるようだが、
元来30db程度のゲインしかないフラットアンプなので、トータルゲインを確保する
ためには、昇圧比 の高いインプット・トランスを使うか、本機をシリーズ接続す
るか、あるいは前か後にラインアンプを置く必要があり、なかなか難しい。しか
し直熱管によるフォノイコライザーは、真空管アンプ愛好家の見果てぬ夢である
 
{ステレオサウンドK.K.発行 WESTERN ELECTRIC SOUNDより} 
  新忠篤さん著
 
WE49用電源(WE206F×2)
Western Electric
 WE 41 42 43 Amplifier
『41』−『42』−『43』は、本格的にトーキー映画普及の見通しが確立した192
7年から1928年にかけて、ウェスタンが開発した“ヴァイタフォン”と呼ばれる
シアター用サウンドシステムの、アンプリファイアー(以下アンプ)部である。
この3台のアンプは単独に用いられるではなく、あくまでも『41』が『42』を駆動
し、更に大出力が要求される場合『42』が『43』を駆動するインテグレーテッド
なシステムとして設計されている。『41』に使用されている真空管は、マイクロ
フォニック・ノイズのきわめて少ない293A、プレート用のB電圧は『42』から供
給され(D.C.390V)、フィラメント点火用のD.C.12Vは、外部のストレージ・バッ
テリーからサプライされる。このD.C.12Vはフィラメント点火と同時に、一部を
分圧しグリットにバイアス電圧を供給しており固定バイアスとセルフ・バイア
スの折衷の動作になる。これはウェスタン独特のバイアス印加方で同社のス
クライグンE.O.Scrivenの着想によるものである。“ミラフォニック・サウンドシ
ステム”登場の1936年以降には、大容量型のタンがーバ ルブ式カーレント
・サプライTA-5035、TA-7276などが開発され、導入されたため、ステージ・
スピーカーのフィールドコイル電源、映写用プロジェクター・ランプの電源、お
よび『41ーA』のD.C.12V電 源を1台でまかなうことが可能になった。このタン
ガーバルブ式電源の12V出力のフィルター部はきわめて厳重で3個のリード・
コイルとTA-4115乾式電解コンデンサー「2μF」によるπ型フィルターを経て
供給されている。D.C.12V回路にシリーズに入れられているフィラメント電流
調整用の35-Nレオスタットも、抵抗線を張ったステップの接点を持つ、大変
に凝った造りのものである。


{ステレオサウンドK.K.発行 WESTERN ELECTRIC SOUNDより}  
  新忠篤さん著
伊藤喜多男師筆
 
伊藤喜多男師筆
 
 
Western Electric 『200-A』
『41』ー『42』-『43』アンプ・システムは、ウェスタンの101型ラックに設置される
そのいちばん上に設置されるのが200-Aパネルで、6系統のステージ・スピ
ーカーと1系統のモニター・スピーカーのON/OFを行う。そして7-Aオートトラ
ンスを内蔵し、500Ωライン出力を555Wレシーヴァーのヴォイスコイル・イン
ピーダンスに変換する。オートトランスは鉄心の上に、一つの連続した巻線
を持ち、その一部は1次巻線と同時に2次巻線ともなって共通に動作するも
のである。7-Aは同社が発表した周波数が信じられないほどの広帯域感と
豊かな密度感を持っているのが特徴だ。ステージ用レシーヴァーまでは、パ
ラレルに数十メーターのケーブルが引き回されることのなるので、アンプの
不安定動作や発振防止のため、アウトプット・トランス127-Aの1次側のセン
ターに、シリーズにリタード・コイル109-A〔実側値5H、D.C.抵抗120Ω)が1
個追加され、グラウンドに対してLCフィルターを形成している。


{ステレオサウンドK.K.発行 WESTERN ELECTRIC SOUNDより} 
  新忠篤さん著
 
音の逸品館 (1926~2016) vol. 90
Western Electric 41Amplifie
 
『41-A』の外観は、ウェスタン・エレクトリック社が「ジャパニーズ・ブラック」
と呼ぶ黒を基調としてい る。『41』は『42』を駆動するための電圧増幅アン
プである。回路は直熱3極管239Aの3段増幅というシンプルなもの。構造的
には19インチ・リレーラックマウント・サイズのパネルの両面に組み上げられ、
前面下部には黒い四角形のカヴァーが取りつけられている。上部には電流
監視用のメータ ーが2個。左側のメーターは239Aのプレート電流用〔フルス
ケール2mA)で、3本の239Aのプレート電流をスウィッチで選び、1本ずつチェ
ックすることができる。右側のメーターは、239Aのフィラメント電流監視用(フ
ルスケール300mA)。パネル右側にある電流調整のためのレオスタットで手
動調整する。 3本の239Aフィラメントは、全部シリーズに接続され、トータ
ル270mAにセットするのが規定値である。239Aの後続管264A/B/Cでは、
これが300mAに増える。 3本の真空管は、アンプパネル前面下部のカヴァ
ー内部のフローティングされたサブシャーシに、130-Aソケットによりマウン
トされている。防振のために、2重のコイルスプリングの中央に真空管のピン
が貫通するようにつくられた130-Aソケットは、フェルトを介して真鍮製のサ
ブシャーシにマウントされ、シャーシは防振ゴムを挟み込んだコの字型のス
ティール・ブラケットでパネルに固定してある。 サブシャーシー全体を覆う
銅版製のカヴァーは真空管のシールド用である。更に、そのカバーの内部は
フェルトが貼られている。マイクロフォニック・ノイズ、アコースティック・フィー
ドバックを避ける為の実に巧妙な仕組みだ。『41-A』は入力信号をインピー
ダンス200Ωの233-Eインプット・トランスで受ける。233-Eの2次インピーダ
ンスは25KΩで、昇圧比は1:11.2。インプット・トランスの2次側には、23接
点の26-Aポテンショメーターがあり、1ステップ3dB。合計22ステップのゲイン
・コントロールが可能になっている。抵抗値の合計は177.941Ω(≒180Ω)
26-Aは後術の38シリーズの抵抗8個と独自の巻線抵抗15個を組み合わせ
たもの。調整ノブに固定された目盛り板をサム・スクリューでロックすることが
できる。ポテンショメーターを出た信号は初段の239Aに入る。初段と2段目
の間には「High-Low」のゲイン選択スイッチがある。ジーメンス型の2極切
替え多接点スウィッチである。High側は0dB、Low側はー15dBの設定。これ
を『41』−『42』というシステムの場合は「High」、『41』−『42』−『43』という組
合せの場合は「Low」で使う。『43-A』のゲインは15dBの為、双方のシステム
のトータルゲインは等しい。ゲイン選択後、信号は239A2段で増幅され、出
力端子に接続される。239Aの終段はそのままパワーアンプ『42』のインプット
・トランス233-Gの1次側16kΩに接続され、負荷となる。
そのプレート電流は1.35mAから1.55mA、出力は19mWである。『41』用に
『42』から供給される390VのB電圧は、まずリタード(チョーク)・コイル109-B
を通り、各真空管のプレート電流監視マーター切り替えスウィッチを経て、
各々のプレート回路に接続される。

 {ステレオサウンドK.K.発行 WESTERN ELECTRIC SOUNDより}  
   新忠篤さん著
 
 
 
 
 
 
音の逸品館 (1926~2016) vol.99
Western Electric 42Amplifier
『42』は『41』により駆動されるパワーアンプである(価格は206ドル25セント)。
『42-A』のインプット・トランス233-Gの1次インピーダンス16kΩは、『41』の
終段管239Aのプレート負荷となり、2次側が205Dのプッシュプル・ステージ
を直接スウィングする。 搭載される真空管は205Dが4本、そのうち2本は
出力管、他の2本は2極管接続(グリッドとプレートをつなぐ)で整流管として
用いられる。出力管205Dのグリッド・バイアスは、セルフ・バイアス方式が採
られており、フィラメント・トランス(303-C)の4.5V巻線のセンタータップから
575Ωの抵抗でグラウンドされている。インプット・トランスの2次側の中点も、48kΩの抵抗でグランドされているが、その際バイアス抵抗のホット側、つま
りフィラメント・トランスのセンターと、入力トランス2次側のセンターが
0.5μF〜1.0μFのコンデンサーで接続されている。アウトプット・トランスの
1次側のセンタータップには、電流計〔フルスケール100mA)が入れられており、
プレート電流60mAを監視する。B電源は、パワー・トランス303-Bの高圧巻線
430V×2を2本の205Dによって両波整流する。整流後の高圧はフィラメント
巻線のセンタータップから取り出される。フィラメント巻線構造は複雑になるが、
リップルの低減と接続の長期安定性の点で有利な方法である。フィルター回
路を通過後のB電圧は440V〜450V、205Dの実効プレート電圧は410V〜
420Vになる。『42-A』のアウトプット・トランス127-Aは1次インピーダンス8kΩ
2次インピーダンス500Ω/250Ωである。 『42』の電源スウィッチは時計回
りのみの回転式で、ポジション@で各真空管のフィラメントがオンのなり、ポ
ジションAで高圧が印加される。『42』はパネル正面から見て上部左側に出
力管の205Dが2本、右側に整流管用の205Dが2本、専用ソケット116-Aに差
し込まれている。そして、それぞれはパーフォレイテッド・メタルを小判型に成
形した放熱および真空管保護用グリルに囲まれ、頭が手前にくるよう横向き
にセットされている。ベースはバヨネットで回転ロックされるが、その時、
205Dのグリッドは垂直になり、使用中のフィラメントのたるみによるグリッド
接触事故を防いでいる。ゲインは『42』単体で25dB、『41』単体の42dBと合
わせると合計67dBになる。 『42』の最大出力は1.9W。

{ステレオサウンドK.K.発行 WESTERN ELECTRIC SOUNDより}  
  新忠篤さん著
 
 
 
 
 
 
 
Western Electric 43Amplifier
『41』ー『42』は出力1.9Wのアンプシステムとして、1,000席以下のシアターで
は充分に実用になった。しかし、それ以上の規模の映画館においては、より
大出力が要求され、そのためのブースター・アンプとして『43』が開発される。
『43』は『42』の出力(500Ω)で駆動される。インプット・トランス241-Aは、単
体の1次インピーダンスが275Ω、2次側が3,370Ω、昇圧比1:3.5であるが、
外ずけ抵抗の610Ωで調整され、入力インピーダンスは500Ωn整合されてい
る。出力管には、211E(後には242)が2本、整流管にも同一のチューブが2
本使用される。『43』が一般のパワーアンプと異なる最大のポイントは、出
力管のプレート供給電圧が750Vと高圧電流であることだ。これは後の
『B-43-A』で、1,050Vに引き上げられる。このような電圧の印加は、一般の
コンシューマー・アンプのように、不特定なユーザーが使うという前提では、
生命にかかわる危険があるため、採用は難しい。『43』の回路は基本的に
『42』と同一のコンセプトで、それをスケールアップしたもの。インプット・トラ
ンスはダイレクトに出力管211をプッシュプル・スィングする。そのバイアス
抵抗は、200Ωと112Ωをシリーズ接続した312Ω(出力管1本分に換算す
ると624Ω)である。出力管と、整流管のフィラメントは、10V/6.5Aがセンター
タップつきで2回路、フィラメント・トランス(307-B)から供給される。アウトプット
・トランス(128-A)は、円筒型。リングコアの、高価なトロイダル巻線構造で、
1次インピーダンス6.5kΩ、2次インピーダンス500Ω、重量約14ポンドの巨
大なものである。アウトプット・トランスの1次側センタータップには、211×2
本分のプレート電流計(フルスケール200mA)が入る。このメーターの前に
発振防止用のリタード・コイル(136-A)が挿入され、B電源につながるのも
『42』と同様の手法。B電源用のパワー・トランス(307-A)は、760v×2で両
波整流後、1μF×9個のパラレル接続されたオイル・コンデンサー群×2と、
リタード・コイル(137-A)でフィルタリングされる。137-Aリタード・コイルの実
測値は20H(D.C.抵抗225Ω)である。インプット・トランス(241-A)の2次側は
センタータップから48kΩでグランドされている。このセンターと出力管のフィ
ラメント・トランスのセンターが0.5μFのコンデンサーで結ばれ、信号電流を
還流させているのも『42』と全く同じである。 『43』に使われた真空管は211E
→242A→242B→242Cと年代順に推移する。242はプレート損失が100W増
強されたため、『43-A』の高圧トランス307-Aをピアレス製AR-1054Aに変更
し、750VのB電圧が1,050Vになった。カソード・バイアス抵抗値も上がった。
 アウトプット・トランスも、スピーカーにダイレクトに接続できる低インピーダ
ンスの2次巻線を持つA R-1053-A、あるいはD-95659(1次=8kΩ、2次=1Ω、4Ω、9Ω、16Ω。これは『10-A』のローイ ンピーダンス対応型で、後の『87』
にも使用された)に変わり、出力は9.5Wから一気に24Wとなる。 『41』-『42』
で駆動された『43-A』の音は、『42』の音を色濃く残しながら、音楽の表情が
より深くなり、強い説得力を持つ。9.5Wの出力とは関係なく、圧倒的であふ
れるような色彩感に満ちたサ
ウンドは、他のアンプでは全く得られないもの
である。

{ステレオサウンドK.K.発行 WESTERN ELECTRIC SOUNDより}      新忠篤さん著
 
 

音の逸品館 (1926~2016) vol.105

Western Electric 43 Amplifire

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

音の逸品館 (1926~2016) vol.55

RCA Type 70-D
Transcription Turntable
MI-11802,Umber Gray, 50 Cycles
Power Supply Required 105 to 125 volts 50 cycles 35 watts
Turntable Diameter 16 inches
Turntable Speeds 33 1/3 and 78 rpm
Turntable Speed Regulation
0.6% (peak to peak) at 33 1/3 rpm
0.4% (peak to peak) at 78 rpm

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
RCA Type 70-D トランス・クリプション用のプレーヤーです
       
       
 
RCA Type 70-D
Transcription Turntable
 
 ギアドライブで33回転はスリップ式です
 
 
 
Western Electric
109Type Reproducer Group
 1039年になってウェスタンは、が気的なリプロデューサーを開発した。
当時アメリカ各地に陸続きと建設された、FM放送局での使用が目的とされた
製品である。 ウェスタンでは、『9-A』リプロデューサー+5-Aアームと組合せ
て使用する。KS-13386イコライザー(+ケーブル・アッセンブリー)ならびに
171-Aリピーティング・コイルなどを用意。これらが組合され、システム全体を
『109タイプ』リプロデューサー・グループと呼んだ。

  
 
Western Electric
 リプロデューシング・ヘッドには、『9-A』と『9-B』の2つのモデルがある。
『9-A』は針先が2ミルのダイアモンド製で、多数の放送局へ供給するプログ
ラムに使われた、トランスクリプション・ディスク用である。これは、水平ある
いは垂直カットのディスクで、比較的狭い音溝を持ち、直径16インチのもの
が多い。
『9-B』ヘッドは、針先が2.5ミルのサファイア製で、一般のレコード(SP)など
の太目のグルーヴを持つレコード用である。『9-A(B)』の特徴は、一つのヘ
ッドの中に2つの発電コイルを持ち、その2つのコイルの接続組合せで、水平
カットと垂直カットの2種類のディスクの再生ができるようになっていることで
ある。水平カット・ディスク再生時には、垂直方向で発生する信号をキャンセ
ルするコイルの接続方法がとられるため、トレース時にスクラッチ・ノイズや
歪みが軽減される。一方、垂直カット・ディスクの再生時には、水平方向で発
生する信号をキャンセルするコイル接続になるため、
やはり同様の効果がある。

{ステレオサウンドK.K.発行 WESTERN ELECTRIC SOUNDより}  
  新忠篤さん著
 
 
Western Electric
 KS-13386+171-Aは、イコライザー特性の切替え、
垂直および水平信号の切替え、インピーダン
ス・マッチングの機能を持ち、イ
コライザーは、7つのポジションが選択できる。 Aカーヴの特性はトランスクリ
プション・ディスク用で、最も一般的に使用されたものである。水平カットと垂
直カットの選択と、それぞれのポジションで、2種類のイコライザー特性が得ら
れる。 Bカーヴは、水平カット専用で、3種のイコライザー特性が得られる。
一般のレコード(SP)再生では、そのうちの1つを選ぶ。 厳密なカーヴ指定が
ないのは、ディスクのコンディション〔新品か、何回もの使用で磨耗したレコー
ド)かによって、よりよい再生音、あるいはよりよいS/Nが得られるポジション
を選択できるようにする為だ。イコライザーの出力インピーダンスは、30Ω
250Ω、500Ω(600Ω)が選択できる。イコライザーの後に来くる前置アンプ
の入力インピーダンスに適応した出力インピーダンスを選べばよい。
その場合にも、純抵抗でターミネートしなければならない。イコライザーの出
力レベルは、-60db〜-80dbの間で、ディスクの録音レベルによって異なる。


{ステレオサウンドK.K.発行 WESTERN ELECTRIC SOUNDより}  
  新忠篤さん著
Western Electric
 
       
       
トランスクリプション・レコード
 
 

音の逸品館 (1926~2016) vol. 53
Gray Research 108B Transcription Tonearm
有名なオイル ダンプ型アーム。
アーム取り付け部の上部のコップ状のオイル カップのなっていて、中央部にはト
ーンアームを1点で支持するためのタングステン モリブデン合金のピホットが上
方に向って突出している。トーンアームには中央後部にオイルバスに浮ぶ下方
に突出した半球と、その中央部は凹んでいて一点支持用の受け軸が設けられて
いる。トーンアーム部は全体が比率の大きなテーパー状の凸がたチャネルで構
成されて、後端部に大きな固定のカウンターウェイトが取り付けられている。
こと支持部は制動の粘性の高いシリコンオイルによって半ば浮かぶように低い
周波数帯における不要な共振と、外部からの不必要な振動を制御する。
このオイルダンプアームはプロフェッショナル用として設計されレコードが傷つい
ても針飛び、トラッキング不能の状態にならないようレコードは消耗品と考えている
このトーンアームは適正針圧を得る為には、カートリッジ取り付け部に付加する
錘を微細に調整しなくてはならず、知識の不十分な一般オーディオマニアには
危険なトーンアームといえよう。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
Grayの質量分割アーム
Gray グレイ #106
このトーン・アームは2つに分割された構造で、アームは中央部から前後に
分かれている。後部の構造体は回転部とアーム・ベースとから成り立っていて、
この構造体の中央先端部がU字型と成っていて、2つの腕に軸受があり腕の
間に入るトーン・アームのあと半分の構造体を支えている。 この前部の構
造体は上下に動くトーン・アームであり、後端がスプリング後部の構造体から
引っ張られていて必要な針圧が得られる構造と成っている。前部のトーン・ア
ーム部は、慣性モーメントを低くする為の重量軽減と、音響的なQを低くする
為に鋳造マグネシウムのП型チャンネルで構成されていて、先端部はオフセ
ット角に合わせてアームの首が曲げられていた。全体はネービー・ブルーに
近い灰色のリンクル塗装で、蛙を飲んだ蛇のように横に膨らんだ中央の支持
部を持ったこのトーン・アームの外観は、なかなかダイナミックな迫力に富ん
だものであった。
 
 
MERIDIAN(メリディアン)208
 DAC部に1ビット、ドライブメカニズム部にフィリップスCDM4搭載の
プリアンプ付きCDプレーヤー
 ★アナログ出力:アンバランス固定/可変各1系統
 ★デジタル出力:同軸/光2系統
 ★ライン入力、テープ入出力、PHONO入力端子
 ★外形寸法:W32.5×H10×D32cm
 ★重量:10kg 1989年

音の逸品館 (1926~2016) vol. 69
Meridian 208
本格的なプリアンプ機能も内蔵した一体型CDプレーヤー。D/A変換にはビットス
トリーム1Cを搭載し、ディファレンシャルモードで使用。CDドライブメカはフィリッ
プ製CDM4を使用。メカニカルな2ボックス構造構造であるが、エレクトロニクス部
はさらに上下分割として徹底したシールディングを実行。アナログ出力はRCA端
子によるアンバランスが3系統で、デジタルは同軸と光出力を装備。
1990 

 
 
 
 
 
 
 
 
 NAGRA 4.2 モノ・テープデッキ
 
 
 
systemH ウェスタン・エレクトリック
WE597+WE25Bホーン+WE555×2+WE4181×2を鳴らす 
 
WE25Bホーン{1938}+WE555×2+WE597+WE4181×2WE41、WE42、WE43←WE49
 ←FMアコースティック155 
←RYLEC(ORTOFON社と共同開発)検聴用プレーヤー{1950}
 (NEUMAN・Cuttingmachin用モーター使用)←ORTOFON・RK309
 ←ORTOFON FONOFILM TypeA,B,C・モノカート
Western Electric
 ミラフォニック・サウンド・システム M-4システム 『ダイフォニック』 
20-B システム
 
 
 
Western Electric
 25-B Horn
ステージ用メタル製15セル、フラットフェイス型ホーンで、555レシーヴァー用。
カヴァレンジ・アングル=70度以上(水平)。レシーヴァー・アタッチメントは、
20-A(555×1其用)、20-B(555×2基用)が用意されている。
 外形寸法は開口部で全幅40.5インチ(102.87cm)、
全高25インチ(63.5cm)、奥行34.125インチ
 (86.68cm・555が1基の場合)、31.625インチ(80.3cm・同2基の場合)、
重量80ポンド(36.2kg)
 

音の逸品館 (1926~2016) vol. 40
Western Electric 25-B Horn

ウェスタン・エレクトリック
WE25Bホーン
ステージ用メタル製15セル、
フラットフェイス型ホーンで、
555レシーヴァー用。
カヴァレッジ アングル=70度以上(水平)。レシーヴァー アタッチメントは、
20-A(5551基),20-B(2基)が用意されている。
14-AHoanと違いデットニングは
殆どされておらず共振させて555からあたかも高音が出ているように作られている。
DESCRIPTION-FLAT FAED,15 CELL
EXPONENTIAL,3×5, DIMENSIONS-25H×40.5 W×34.125 D
WEIGHT-80 POUNS WHTH TWO RECEIVERS
FREQENCY RESPONSE -300 TO 7000 CYC./SEC.
HOR. COVERAGE-80 DEGREES
VERT. COVERAGE-40 DEGREES
20B RECEIVER ATTACHMENT FOR TWO 555 RECEIVERS
1937

Western Electric
 25-Aホーン+20-Bアタッチメント+555×2
 
 
ウェスタン・エレクトリック
WE25Bホーン

DESCRIPTION-FLAT FAED,15 CELL
EXPONENTIAL,3×5, DIMENSIONS-25H×40.5 W×34.125 D
WEIGHT-80 POUNS WHTH TWO RECEIVERS
FREQENCY RESPONSE -300 TO 7000 CYC./SEC.
HOR. COVERAGE-80 DEGREES
VERT. COVERAGE-40 DEGREES1937
20B RECEIVER ATTACHMENT FOR TWO 555 RECEIVERS
Western Electric
 TA-7401タイプ
TA-4181ーA低域レシーヴァー×2基用でオリジナルプレーンバッフル付きの
前高は6フィート6インチ〔198.1cm〕。 重量=567ポンド(256.9kg、レシーバー
含まず)。本機は主に天井の低いレヴュールームでモニターとして使われて
いた.
材質はFir、ダーク・ウォール/オイル・ステイン仕上げ
WE597A ボストウィック・ツイーター
SPEECH COIL-20 OHMS DC & 6WATTS
FIELD COIL-6.6OHMS VOLTS- 7 DC
POWER SUPPLY- 1.06 AMPS & 7.5 WATTS
DIMENSIONS-4 1/4 INCH DIAMETER 7 1/8 INCHES DEEP
WEIGHT 6 1/2 LBS.
Western Electric
 597-A Reciever
本機は、ボストウィックLee G Bostwickが1929年に開発した高域再生用レシ
ーヴァーである。ヴォイスコイルはエッジワイズに巻かれたアルミニウム線で、
直径1インチ(2.54cm)。ごく薄いクラフトペーパーで裏打ちされ、0.002インチ
(0.051mm)厚のバフ仕上げが丁寧に施された17STアルミ合金ダイアフラムに
固着されている。エッジはフラットのままだが、これは高域専用のため、振幅
を大きくとる必要がないからである。ダイアフラムの全重量はわずか160mg、
カットオフ2kHz(開口部2インチ強〔約5cm〕、長さ4.75インチ〔12.06cm〕の亜鉛
合金ホーンの中に、砲弾型のイコライザーが設置されている。E.R.P.I.のエク
イップメント・ブリテンには計7種類のタイプが存在すると記されているが、
『596』と『597』で0.25ポンド(113.25g)重量が異なる(ヨーク部のフィニッシュとタ
ーミナル構造が違う)のと、フィールドコイルの電圧と電流値が用途別になっ
ているだけで、ヴォイスコイルのインピーダンスと耐入力電圧も有意差がない
ため、基本的にはすべて同一のユニットと考えてよいだろう。 本機は『555』
を中心とするシアター・サプライ、3ウェイの“ワイドレンジ・システム”(1933年、
2ウェイもある)に登用されたせいで、『555』と同様な設計思想に基づいて製
品化されたと思われがちである。事実そのように用いた場合、音色がきわめ
て近似しており、受持帯域が違うだけという捉え方が一般的のようで、特許に
示されている図や設計者自信が発表したBell Laboratories Recordの記事中
写真にも、15-Aホーン・システムと組み合わせた写真やその測量グラフが出
ていることもあり、そう信じてしまうのも無理ない。 だが、それは本機の持つ
力の一端なのではあるまいか。傍証だが、その根拠はいくつかある。
まず、1933年当時の光学式録音高域限界は10kHz止まりで、本機の高域周
波数限界12kHzを下回ることである。加えて先述のTA-7272-A 2ウェイ・シ
ステム(キャリングケース入りの小型システムで、『TA-4151-A』と組み合わさ
れた)の存在。さらにケラーA.C.Kellerらが開発に執念を燃やしていた縦振動
ディスク(高域は12kHzまで伸びていた)のデモストレーションに用いられた、
移動式プレーンバッフル(『595-A』15インチ低域用コーン型レシーヴァー8本に
4本の『597-A』。4本と2本の組合せもある)があること。そして何よりも、“ワイ
ドレンジ・システム”のトゥイーターとして用いた時と2ウェイの高域ユニットに
使った場合の、得られるサウンドのあまりにも大きな差である(クロスオーヴ
ァー周波数はどちらも同じ3Hz)。 前者では、存在感を決して誇示することな
く、あくまでも静かに、音楽の中にまろやかに溶け込でいく鳴り方。
通常トゥイーターを必要としない『594-A』レシーヴァーを中心とした「ダイフォ
ニック・システム」でも、本機を付加する効果は大きいといえよう。音場のでき
かたというか、雰囲気づくりの上手さにおいては、『596-A/597-A』の右に出
るものはない。 しかし本機をひとたび2ウェイで用いると、その性格は一変す
る。例えば『TA-4151−A』と組み合わせると、高域が伸びるというよりは、む
しろ中域がぐっと充実して、切れ込みと締りが増す印象になるのだ。エネルギ
ッシュかつスピード感豊かで、モニターライクな現代的サウンド。
これこそ『96-A』本来の慣らし方なのでないだろうか、と思わせるものがある。
確かに設計上の形態からいえば、本機は『555』の系譜に属するという指摘は
正しい。しかし、仮説だが、思想的には、キャビティの設計、つまりホーンの
喉部に設定されたイコライザーとダイアフラムの間隙のとり方。最初からフル
レンジ再生を狙わない手法。高域の指向性がビーム状に鋭くなるのを防止す
る小型ホーンの採用。タイム・ドメインを考慮したパテント図版中のユニット配
置(同軸型ユニットがすでに提案されている)。複雑な熱処理を必要としない
シンプルな
エンボス加工のダイアフラムとヴォイスコイルの接着法など、むし
ろ超弩級ユニット『594-A』の、先駆的製品として性格が強いのではないろうか。
そう考えれば、このユニットの音の二面性も理解しやすいように思われる。
なおボストウィックはコーン型ユニットの設計も数多く行っているが、世界初の
ドーム型レシーヴァーのパテントホルダーとしても著名である。

 

{ステレオサウンドK.K.発行 WESTERN ELECTRIC SOUNDより}  
  新忠篤さん著 
 
 
 
Western Electric
 TA-7375-A Network
 “ミラフォニック・サウンドシステム”用の主力ディヴァイディング・ネットワーク。
 クロスオーヴァー周波数は300Hz、12db/oct。インピーダンスは12Ω。
 リタデーション・コイル(ASA-1317)は空芯式、キャパシターTA-4187には大
型でかつ誘導電力率のよいオイルコンデンサーを使用している。
なおR1、R2、L3によるシンプルなハイパス・イコライザーはシステム・トータル
での最終的な音質コントロールを意図したもので、通常は外してもよい。

 {ステレオサウンドK.K.発行 WESTERN ELECTRIC SOUNDより}
 
TA7376Type+TA4181A
(ボイスコイルインピーダンス 11.7Ω/at 400Hz,DC24V/1A CONE DIAMETER-18 inc)
 
 
Western Electric
TA-4181-A Receiver
本機は1936年、ウェスタンが渾身の力を込めて新開発したシアター・サプライ
“ミラフォニック・サウンドシステム”のステージ(ダイフォニック)用低域レシー
ヴァー・ユニットである。口径18インチ(45.72cm)の超弩級で『TA-4151-A』と
同様、ジェンセン社がウェスタンの仕様書に則って製品化したものだ。まず、
漆黒に塗られたマッシヴな外観を、とくとご覧いただきたい。巨大なキャストア
イアン製マグネット・ヨーク(フィールドコイル)、分厚いダイキャスト成型のバ
スケット(フレーム。高剛性のアルミニウム合金製)、そして見るからに強靭そ
うなコーン紙。いかにも大型なユニットだが、仔細に観察すればバランスを失
したところは一点たりともなく、メカニズム的にも完成度はきわめて高い。これ
は間違いなく
「本物」だ、と鳴らす前から確信を持って言い切れる製品である。
なるほど、本機ならは中・高域ユニット『594-A』の強烈なエネルギーを、存分
にサポートできるはずである。
 ジェンセン社は当時、18インチのモデルだけでも、『M-18』(5kHzまでレスポ
ンスを持つ、マルチパーパスのスタンダード)、『L-18』(3kHz以上を急降下さ
せたウーファー専用)、『V-18』(中・高域を張り出させ、声の伝達性を高めた)、
『HF-18』(9kHzまで再生帯域が伸ばされたハイファイ型)の4ラインを持ちそ
れぞれA.C.型とD.C.型が用意されるため、計8タイプを擁する、大スピーカー・
メーカーであった。しかし、ウェスタンの要求するスペックは、これらの製品を
はるかに上まわる、きわめて厳しいものだったのである。驚くべきは、ギャッ
プ部の磁束密度と加工精度を大幅に上げなければならなかったことである。
加えて、使用帯域は50〜300Hz(クロスオーヴァー周波数の300Hzは、当時と
してひじょうに低い)。歪率は低く、耐入力は高く、それでいながらセンシティヴ
ィティはさらに高めなければならない。これらの条件はすべて、ジェンセン社
の旧来の設計手法では実現不可能といってよかった。つまり、全くの新製品と
して素材の面から見直しながら迫られたのである。 ベル・ラボの支援を仰が
なければならなかったのは、いうまでもない。 こうして『TA-4181-A』は、従
来の低域レシーヴァーをはるかに凌駕した特性を獲得、共振の分散を図った
見事な設計の3種類のキャビティ(ショートホーン)付低域バッフルに搭載され
て、登場した。ヨークとポールピースは大幅に大型化、素材も一新して磁束
密度が高められた。バスケットも新規設計されている。コーン紙はパルプの
繊維が長く、スティフネスを高めるとともに軽量化を狙ったもの。 スパイダー
(ダンパー)はコーン同様の紙製コルゲーション(これはジェンセン製も同じ。
布製のものは低域は延びるが、歯切れは悪い)・タイプが用いられ、ヴォイス
コイル・ボヴィンの強度は徹底的に高められた。サフィックス〔A〕が付された
モデルは更にギャップ部の磁束密度の上昇を図り、フィールドコイルの消費
電力を増加させ(25Wから30W)、磁気回路をリファインし、1ポンド(0.45kg)で
あるが重量も増加している。 『TA-4181-A』は、バッフルとの組合せでも同
様だが、中・高域のレシーヴァーの選択により、その表情が一変する。 
『594-A』との組合せでは、締まっていてかつ押し出しのいい堂々とした音。
音場感の描写も、これ以上のものはないとつくづく思わせる。一方、『555』と
の組合せでは、量感がたっぷりと出てきて、よく拡がるスケール感豊かな音
になる。それにつけても、このユニットを存分に鳴らしきることのできる広大
な空間が、どうしても欲しくなる。いやがうえにも煩悩をかき立てる製品である。
『TA-4181-A』のスペックは、ヴォイスコイル・インピーダンスが11.7Ωー400Hz
15Ωー1kHz。フィールドコイルはD.C.24V−1.0A、D.C.抵抗は24Ω。
またフィールドコイル仕様の異なる『TA-4194-A』(D.C.10V-2.25A、
D.C.抵抗=4.45Ω。
本来はこのモデルが『555』と組み合わせるM-5システム用)がある。
 外形寸法が18インチ(45.72cm)の円形、奥行きが10インチ(25.4cm)、
重量は48ポンド(21.74kg)。
 取付け孔径は16.25インチ(41.28cm)である。
 なお『TA-4185-A』(フィールドコイル規格がD.C.105〜125Vー230mA、
D.C.抵抗=500Ω)は、口径こそ同じ18インチのモデルだが、むしろジェンセ
ンのラインに近い製品である。


ステレオサウンドK.K.発行 WESTERN ELECTRIC SOUNDより}
 
 
 

音の逸品館 (1926~2016) vol. 76

Western Electric TA-7396 Baffle+ TA-4181×2
ダイフォニックシステム
組立式の低音用バッフルでTA-4181Aを取り付ける部分(AS4520)×1と、フレー
ム部(ASO8126)×1、ラージウイング(ASO8126)×1、スモールウイング(ASO8126)
×1から構成される。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
モショグラフ、タンガーバルブー電源
 
 
 
 

音の逸品館 (1926〜2016) vol.2
リレック(LYREC)検聴用プレーヤー
ノイマン・カッターレース用モーター
歯車のような膨大な極数を備えた強力な多極低回転シンクロナス・モーター電
源の周波数が50Hzだと、78回転で77極,33 1/3回転だと,180極、言い換えるとス
トロボの数だけ極力がある。

1940年代のおわりころに、ヨーロッパでは、新しい勢力として、デンマークのフォノ
フィルム〔現在のオルトフォン)やドイツのノイマンなどがムービング・コイル型の
性能のよい新しいカッティング・ヘッドをもって参入してきた。
両者とも、カッティング・レースにLyrecの新しいシステムを採用していた。
いずれも、それぞれ独自のシステムとしてリレックと共同開発したレースだが、オ
ルトフォンのカッター・レースに近い験聴用のプレーヤーである。
機械加工用のLATHE(旋盤)とよく似た構造なのでCutting Lathe(カッティング・レ
ース)と呼び習わしている。
リレック社を初めとして、カッティング・レースは歯車のような膨大な極数
を備えた強力な多極低回転数シンクロナス・モータを動力源としている。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
リレック(LYREC)検聴用プレーヤー
イマン・カッターレース用モーター
歯車のような膨大な極数を備えた強力な多極低回転シンクロナス・モーター
電源の周波数が50Hzだと、78回転で77極、33 1/3回転だと、180極、
言い換えるとストロボの数だけ極力がある。
 1940年代のおわりころに、ヨーロッパでは、新しい勢力として、デンマークの
フォノフィルム〔現在のオルトフォン)やドイツのノイマンなどがムービング・コ
イル型の性能のよい新しいカッティング・ヘッドをもって参入してきた。両者とも
カッティング・レースにLyrecの新しいシステムを採用していた。いずれも、そ
れぞれ独自のシステムとしてリレックと共同開発したレースだが、オルトフォン
のカッター・レースに近い験聴用のプレーヤーである。 機械加工用のLATHE
(旋盤)とよく似た構造なのでCutting Lathe(カッティング・レース)と呼び習わ
している。 
リレック社を初めとして、カッティング・レースは歯車のような膨大な極数を備
えた強力な多極低回転数シンクロナス・モータを動力源としている。

 
 
 
 
 
エボナイト・ターンテーブル
アルミ・ターンテーブル
異種金属ターンテーブル、パウダーはスリップ用です
 
 
 

音の逸品館 (1926~2016) vol.49

EMT RF297 トーンアーム
Elektro Mess Technik Wilhelm Franz
ダイナミックバランス型

 
 
 
 
 
 
 
 
音の逸品館 (1926~2016) vol.10
Neumann DZTカートリッジとアーム
NeumanのカッターLP、SP検聴用
テレフンケンSZ4/SZ5レコードコンソール付属のピックアップDZTアーム、カートリ
ッジ。ターンオーバー型SP用、LP用カートリッジを背中合わせに取り付け180度
回転させて使う。アームはEMT-R80に装備さたEMTオリジナルで注文者の希望
によりトーンアームのカウンターウェイトには200Ωのマッチングトランスを収納で
きる。DZTの周波数特性はさすがにMC型だけのことはあり高い所迄見事に延び
ている。高域のピークは1500Hzで約9dBである。一見1500Hzでのピークが高く思
えるが制御で無理にピークをつぶすより軽く押さえて再生された音楽が伸び伸び
としているだろう。
実効長297mm、針圧LP7gr,SP12gr
コイルインピーダンス12Ω
出力電圧0.75mV/cm/sec
3.75mV/5cm/sec 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 ノイマンDZT専用アーム

 ノイマンのと関係が深かったテレフンケンのスタジオ用コンソールのSZ4が、
EMTのモノーラル用プレーア・デッキのR80そのものであったことだ。ノイマン
ではスタジオ用コンソールをラインナップしていなかったことを思い合わせれ
ば当然のことなのだが、そのSZ4のトーン・アームとカートリッジがオルトフォ
ン/EMTでなく、DZTというノイマン製であったらしいのもちょっとした判じもの
めいていておもしろい。

               海老沢 徹氏著 「フォノ・カートリッジ大全」より

 
 
 
 
 
 

音の逸品館 (1926~2016) vol.11
Eltus製作MC Mono昇圧トランス
WE 618

Mildred Bailey Sings
"Me And The Blues"
Regent MG-6032 

 
 
 

音の逸品館 (1926~2016) vol.49

EMT RF297 トーンアーム
Elektro Mess Technik Wilhelm Franz
ダイナミックバランス型

Ortofon オルトフォンについて    
 (山中敬三氏著「オーディオ博品館より)
魅力ある音のカートリッジとなると私の場合、どうしてもダイナミック型(MC型)
のそれということになってしまう。これはモノーラルLPの昔から一貫して変わる
ことのなかった信念で、長いオーディオとの係わり合いの年月の中で、それ
は確固たるものになっといえる。MC型の魅力を一言で述べるのはなかなか
難しいが、ソースに対するプレーバック側としての反応の確かさにある。つま
り聴き手の要求に対応して、ディスクに刻まれた音楽の内容を更に深く探り
だせるような可能性が感じられ、同じマグネティックタイプのMM型やMI型が
一般的な傾向として備える、品行方正でクールな対応振りとは、どこか一線
を画する所があるように思えるのである。多少感情的といわれそうだが、こう
したメンタルな心情はオーディオコンポーネントのあらゆる部分で常に問題と
なることであり、実はそれこそがオーディオの楽しさの原点なのかも知れない。
ご承知だとは思うがコイルを可動部分に持つMC型は、カートリッジの中でも
構造がデリケートかつ複雑である。したがって優れて職人的な腕を持つエン
ジニアが試作的に手造りに近い形でいいカートリッジを開発することが可能
な反面、製品として安定したものを造りあげるには精密工業としてのエンジ
ニアリングと長い経験が要求されるわけで、これは現在に至るまでのMC型
の歴史を辿ってみれば明らかとなる。
カートリッジ・・・・というよりもディスクシステムの画新期、すなわちLPディスク
の発明、ステレオディスクの開発、そしてあまり成功はしなかったものの4チャ
ンネルディスクの提案など、それぞれ重要と思われる各モーメントにおいて、
開発試作運用の段階で必ずといってよいほどMC型のエックスペリメンタルモ
デルがいち早く登場するのが常であった。そして逆に本命といわれる形で
のMC型の発表は、多少時間が経ってからのことであり、これらがすべてを物
語っているといえよう。 いずれにせよMC型のプレステージは何時の時代に
も高かったことは事実であり、そしてそのMC型のプレステージを高める主役
を常に務めてきたのがオルトフォンのカートリッジなのである。 デンマーク
のオルトフォン社は音響専門メーカーとして長い歴史をもち、特にディスクレ
コーディング・システムに深い関わりをもち続けてきた会社である。本来ディス
ク・カッターレースのテストプレイバック用として開発を続けてきた、完全にプロ
フェッショナル向けといえる同社のカートリッジが、一般コンシューマーを対象
とした主力製品に成長したのは、ディスクの製作サイドと密着したカートリッジ
として、その技術的な蓄積が大きくものをいったのであろう。しかもその伝統
ある技術キャリアーは常にMC型によって築かれてきたものなのである。SP
時代から同社は、優れたMC型カートリッジを開発しており、中でもLPの初期
に登場したCG25やCG65(SP用)は現在に至るまでその原型をほとんど変え
ずに生産が続けられてきている。しかしなんといってもオルトフォンの名を不
滅にしたのは、ステレオLP時代初期に発表したSPUモデルであり、これは私
自身にとってもとりわけ重要なコンポーネントとなったのである。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 音の逸品館 (1926~2016) vol.10
Neumann DZTカートリッジ
アーム
NeumanのカッターLP、SP
検聴用
テレフンケンSZ4/SZ5レコードコンソール付属のピックアップDZTアーム、
カートリッジ。ターンオーバー型SP用、LP用
カートリッジを背中合わせに取り付け180度回転させて使う。
アームはEMT-R80に装備さたEMTオリジナルで注文者の希望によりトーンアー
ムのカウンターウェイトには200Ωのマッチングトランスを収納できる。
DZTの周波数特性はさすがにMC型だけのことはあり高い所迄見事に延びている。
高域のピークは1500Hzで約9dBである。一見1500Hzでのピークが高く思えるが
制御で無理にピークをつぶすより軽く押さえて再生された音楽が伸び伸びとして
いるだろう。
実効長297mm、針圧LP7gr,SP12gr
コイルインピーダンス12Ω
出力電圧0.75mV/cm/sec
3.75mV/5cm/sec
 
 
 
 
 
 
 
 
 
systemI ウェスタン・エレクトリック
 WE24Aホーン+WE594+ELTAS4181×2を鳴らす
 
WE24Aホーン{1938}+WE594+ELTAS 4181×2←WE86Cアンプ
Western Electric ダイフォニック・システム
Western Electric
WE594
19A RECEIVER ATTACHMENT
 
 
 
 
 

音の逸品館 (1926~2016) vol. 75
Western Electric 24-A Horn
ステージ用ラミネートメタル製12セル、フラットフェイス型ホーンで594-A用。
ミラフォニックサウンドシステムの高域に使われた。カヴァレッジアナログは
70度以内、外形寸法は開口部で全幅88.9cm
全高66cm、奥行68.6cm
重量18.6kg(594-A装着時)
WEで最高のホーンです。
1936

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
Western Electric
WE24Aホー
DESCRIPTION-FLAT FACED,12 CELL3×4、HOR.
COVERAGE-UP TO 70 DEGREES
VERT. COVERAGE- 40 DEGREES、WEIGHT-41 POUNDS
FREQUENCY RANGE-300-8000 CYC./SEC
1936
 
Western Electric 24-A Horn
 ステージ用ラミネートメタル製12セル、フラットフェイス型ホーンで594-A用。
ミラフォニック・サウンド・システムの高域に使われたが、555レシーヴァーが
使用された例(24-B)もある。カヴァレッジ・アングルは70度以内。レシーヴァ
ー・アタッチメントは3種あり、19-Aが594-A×1基、19-Bが594-A ×2基
19-Cが555×1基用である。
外形寸法は開口部で全幅35インチ(88.9cm)、
全高26インチ(66.0cm)、奥行27インチ(68.6cm・595-A×1基装着時)、2
8.13インチ(71.5cm・2基装着時)、
35.75インチ(90.8cm・555×1基装着時)、
重量41ポンド(18.6kg・594-A装着時)、
35ポンド(15.9kg・同555装着時)
 
 
 
 
 

 
 

音の逸品館 (1926~2016) vol.102
Jewell Sound Laboratoles Ink.
Type 2A3 729
資料は全然ありません。
小さな映画館用と思われます。
フェランティのトランスが使われてます。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
モノカートリッジ群
 
オルトフォン モノーラル時代のカートリッジについて
 このシリーズのカートリッジは、1946年に開発されたオルトフォン最初の
ラッカー円盤録音用のMC型カッター・ヘッドによる録音盤視聴用として、
1948年に開発されたMC型モノーラル・カートリッジにその源を発しているら
しい。この円盤録音システムは、その後LYREC型のレースと組み合わされて、
世界でも有数のシステムに成長し、ノイマン、ウェストレックスとともに幾多の
名録音盤を生み出すことになる。 〔フォノ・カートリッジ大全より〕
 1948年ホルガー・クリスティアン・アレンツェンが、当時のカッターヘッドに
匹敵する高いクオリティを備えたSP盤/LP盤/ラッカーディスク再生用モノー
ラルMC型ピックアップ(カートリッジ)を開発。 このカートリッジは、スタンダ
ードタイプのType A、ブロードキャスティングタイプのType B、スペシャルタ
イプのType Cの3タイプあり、基本構造は同じ(インピーダンス2Ω、自重30gr)
だが、振動系の実効質量がType A:4mg(針圧7〜15gr)、Type B:3mg(同5
〜15gr)、Type C:1.5mg(同3〜10gr)と異なる。また、それぞれ針先半径の
違いにより、白(95μm)、灰(85μm)、 紫(75μm)、青(65μm)、緑(45μm)
黄(45μm)、赤(25μm)の8色にマーキングスポットが色分けされていた。
後に、Type AとType Cの2タイプとなり、Gシェル付き(Type AG、Type CG)
もこのシリーズに加わる。モノラール用カートリッジとして長期にわたり(198
9年まで)発売されていたCA25D、CG25D、CA65D、CG65Dは、このType C
の発展型で、それぞれAシェル付き、Gシェル付き、数字は針先半径を示す。
この頃からブランド名として「オルトフォン」の名を使い始める。 
ギリシャ語のorto=正確な、正しい、という単語と、fon=音、という単語を合成
したものである。  
 (SS誌 オルトフォンのすべて)

 
Ortofon A型の構造
 内部の構造はA型、C型ともにまったく同じで、空芯のMovingCoil(MC)型
である。カタログによると再生周波数範囲は20〜14,000Hzで、通常の家庭用
としては十分といえる。コイルは0.05mm直径の線が40回ほど巻いてあり、
プッシュプル動作する構造が採用されている。磁気回路は左右に6×10×
13の大きなアルニコ系磁石が配置され、この両端に跨る理想的な構造の磁
気回路で、強力な磁場をコイルの周辺に作り出し、1,000Hz、5cm/secの標
準的な速度振幅の録音で2.5mVの出力を得ることができる。スタイラス・チッ
プは、LP用として1mil(25μm)、SP用としては2.6mil(65μm)の先端球面半
径をもつダイアモンド製チップが取り付けられている。
カンチレバーは厚さ0.1mmの薄いベリリウム銅の板で作られていて、レコー
ド盤面に対して垂直方向に軟らかく動いて、ピンチ効果等によるひずみを軽
減し、水平方向に対しては高い剛性を保ちつつ、音溝に刻まれた音楽信号
を忠実に発電コイルに伝えている。コイルは中心を貫く燐青銅の細いシャフ
トに固く装着されていて、このアーマチュアと呼ばれるシャフトはさらに上端
下端をゴムのチューブを介してポール・ピースに、回転が可能な状態で取り
付けられている。このアーマチュアのレコード盤面側には、カンチレバーが
装着されて振動系全体を構成してtる。コイルからの後部の端子板までの細
いリード線は、カートリッジのプラスチックのハウジングに作られた溝の中に
固着されて、振動による鳴きを防いでいる。カートリッジのボディは、材料は
くわしくわからないが、透明で、切り口が薄青紫色の、アセテート樹脂ではな
いかと思われるもので、内部がよく眺められる美しいカートリッジである。
 このA型は割りに早く製造中止して、C型に整理統一されたようである。
          アイエー出版 海老沢 徹氏著「フォノ・カートリッジ大全」より
 
 
オルトフォン Cシェル 楕円針 LPレコード用
 
 
オルトフォン Cシェル LPレコード用
 
 
オルトフォン Cシェル LPレコード用
 
 
ESL(アメリカ仕様) Cシェル LPレコード用
 
 
オルトフォン  Cシェル LPレコード用
 
 
オルトフォン  Cシェル LPレコード用
 
 
オルトフォン  Cシェル LPレコード用
Ortofon C型の構造
 C型は、プロフェッショナル用として開発製造されたカートリッジで、外観はA型とまったく同じである。
 唯一異なる点は、振動系、それもカンチレバーが小さくなっている。不平衡でごく細長い小さなカン
 チレバーになっている。実効質量も1mgと小さくなり、したがって針圧も3grと、ほとんど現在のMC
 型ステレオカートリッジと変わらない。再生周波数帯域もさらに広くなり、20〜20,00Hzとプロフェッ
 ショナル用として十分な性能を備えている。

                      アイエー出版 海老沢 徹氏著「フォノ・カートリッジ大全」より
 
 
オルトフォン Cシェル LPレコード用
 
 
EMT LPレコード用
EMT OFD-25について
 放送局、レコード会社などのスタジオ用のプロフェッショナル機器の製造メーカーとして有名な、
 Elektromesstechnik Wilhelm Fran K.G.社はEMTブランド名でよく知られている。このEMTには、
 R-80 、927シリーズ、930シリーズ、928,948,950などのスタジオ用ターン・テーブル・デッキがある。
 これらのデッキには、RF-297、RMA-297、997、RMA-229、929などの各モデルのトーン・アーム
 が年代を追って装備されている。そしてこの全モデルに共通して使用できるSP用、モノーラルLP用、
 ステレオ用の、ヘッド・シェルと一体構造のカートリッジが用意されている。この初期デッキでは、
 オルトフォン社のA型のカートリッジを使用していた時代もあったようであるが、モノーラル用として
 のモデルには次の種類がある。OFS-25/OFD-25/TMD-25(モノーラル・マイクログループ、
 25μmr)OFS-65/OFD-65/TND-65(モノーラル・スタンダード・グルーブ65μmr)1948年EMT
 が最初のデッキであるR-80型を発表しオルトフォンのカートリッジが装備されていた。
 この後にEMTのデッキに装備されたカートリッジがOFS、OFDのシリーズである。EMTとオルトフォ
 ンとが共同開発したカートリッジをオルトフォンで製造し、EMT-Ortofon Dynamic Systemとして
 EMTに供給していたようである。
 角型ルーペのモデルでオルトフォンCA型のユニットとほとんど同一の構造である。ただし振動系子、
 とくにカンチレバーはCA型より小型軽量になっていることがうかがえる。

                          アイエー出版 海老沢 徹氏著「フォノ・カートリッジ大全」より
 
 
EMT OFD-25 LPレコード用
 
 
オルトフォン Bシェル LPレコード用
 
 
オルトフォン  Bシェル LPレコード用
 
 
オルトフォン Bシェル LPレコード用
 
 
オルトフォン Bシェル SPレコード用
 
 
オルトフォン Bシェル ステレオ針付きモノ用
 
 
EMT Ortofon Bシェル ラッパ録音SP用
 
 
オルトフォン Cシェル SPレコード用
 
 
EMT オルトフォン ラッパ吹き込みSP用
 
 
オーディオファブ製紫檀シェルに付けたオルトフォンステレオLP用
Audio Fab Prodacts オーディオファブ PMD-25
 ●形式:MC ●出力電圧:0.1〜0.7mV ●出力インピーダンス:0.5〜26Ω 
 ●周波数特性:特性表付
 ●コンプライアンス:3×10ー6〜10×10−6cm/dyne ●針圧:2.5〜3.5g ●自重:14〜35g
 ●完全オーダーメイド
 
オーディオファブ モノーラルLP用
全部音が違います。購入時は試聴してからに!
蓄音機を聴く
藤田嗣治画伯リトグラフ
systemJ HMV203 蓄音機 {1926年}
 蓄音機の音は衝撃を与えます。古めかしい音を想像するのは間違い。実に生々しい音です。
 有名な池田圭さんが「蓄音機の音を聴いて懐かしいと言うのは昔聞いた人が言う言葉だ」と言っていました。
 池田圭さんが奥様と来宅した時、鉄針でSPレコードを聴いていただき「贅沢なもてなし」とのお言葉を頂きました。
 

音の逸品館 (1926~2016) vol.3
HMV203 蓄音機
1928年頃、英国製。英国グラモフォン社の最高級機。
?#?163から始まるリ?・エントラント式ホーンを採用したモデルのなかでは
もっとも大型。
オーク仕上げの#202マホガニー仕上げの#203がある。
金属部分は#202が銀メッキ仕上げ、?#?203が金メッキ仕上げ?
サウンドボックスはNo.5a、モーターは4丁ゼンマイ・タイプでたいへん
トルクがあり静粛なオイルバス・タイプ。

外形寸法:73Wx59Dx126Hcm、
金属製のリエントラント・ホーンの開口部は580×760mm
  1022年〜28年に、たった100台前後が作られた。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
HMV 203
 
1928年頃、英国製。英国グラモフォン社の最高級機。
#163から始まるリ・エントラント式ホーンを採用したモデルのなかではもっと
も大型。 
オーク仕上げの#202とマホガニー仕上げの#203がある。 
金属部分は#202が銀メッキ仕上げ、#203が金メッキ仕上げ。
 サウンドボックスはNo.5a、モーターは4丁ゼンマイ・タイプでたいへんトル
クがあり静粛なオイルバス・タイプ。

 外形寸法:73Wx59Dx126Hcm、金属製のリエントラント・ホーンの
 開口部は580×760mm
  1022年〜28年に、たった100台前後が作られた
HMV 203のことでSP界の長老 “辻 弥兵衛”さんが
 季刊 「SPレコード &〜LP・CD」No.12
 (1992年2月20日)で話題が出ていますので転記します。

八百粁を遠しとせず  
SPレコード礼讃 辻 弥兵衛
《何でも古いものがよいと云っているのではない》 
 今や世をあげて“CD時代”と云ってよい風潮の中でSPレコードのよさを、
アレコレあげてみても、所詮、一部のディレタントというか、骨董趣味に過ぎ
ないと思われる向きも多いと思う。又、実際自分でレコードの溝に針をおと
す時の緊張感は、何物にも較べられない満足だというLPファンも多い。
 さらにSPレコードの場合は、ゼンマイを自分の手で巻くことの満足感もよく
話題になる。その時のシャーという針音すら全然気にならないという人達も
結構いるのだ。  それらのことは個人の価値観の問題であり、好き嫌いの
問題として、それはそれでよいのだが、 私達は何でも古いものがよいと云
っているのではない。少なくとも、弦楽器(チェロとヴァイオリンなど)と歌曲
(男性、女性とも)に関する限り、LPや、CDよりもSPの方が私どもに強い感
銘を与えてくれるのだ。勿論、好き、嫌いもあると思うけれど、このことは多く
の方々が認めるところだ。
《聴けば聴くほどよい音を出してくれる》 なんのタネも仕掛けもないキャビネ
ットの中に入っている長さ2m弱の金属製のラッパ(亜鉛メッキ)から、私ども
の心を打つ、カザルスやのチェロの音や、カルーソーの声がどうして出てく
るのか、 音響工学の専門家に聞いてもよく判らない。 私が現在使ってい
る英、H.M.V.アップライトグランデ202型(オーク材)、203型(マホガニー材)
は聴けば聴くほどよい音を出してくれるのだ。発売された当時(1920〜30)は
マホガニー材を使用している203型の方が高価な上位機種だったようだ。
しかし私が使用しているもので比較してみると、202型の方がよい音をだして
くれるように思えるのだ。 又、英、H.M.V.社から当時の英国王(ジョージ5世)
されたに献上された特物製の 203型と同型機(H.M.V.社に保管されていたも
の)が放出されることになり、曲折を経て日本の某氏の手に入った。一、二年
前、東京・S社の企画されたSPコンサートで試聴することができた。
 しかし、その特別製の203型は、私の期待したほどの音は出してくれなかっ
たように思った。 つまりその203型は殆ど使用されていないものではなかっ
たか。私の手元にある203型も輸入された後、少なくとも何人かの手を経て
いることと思われるが、202型よりも使用された時間がかなり短いのではな
いかと思われる。 つまり202型の方がよく聴きこまれているということでは
ないかと思う。 さらに同じように音に共振するとしても、オーク材とマホガニ
ー材とでは、微妙な差異があるようだ。同じ木材でも材質が違えば、出てくる
音も違うのは当然だと思われる。 
 (中略)
 それにしても今日なお、復刻版と称して、まるで豆腐の“おから”のように味
も素っ気も無いCDを次から次へと臆面もなく売りつけるレコード会社というの
は、どんな神経をしているのだろうか。 それでいて、LPも製造中止、あれだ
け多数のLPレコードをファン買せておきながら、針も作らないというのは少し
勝ってすごませんかね。 ヨーロッパでは現在もなおLPもカセットテープも、
勿論針も依然として製造は続けられており、ファンは自分の好みによって音
源をチョイスするという本来の姿のままであるらしい。
 文化を大切にするとは、こういうことなのであろう。
 
クレデンザと英HMVの蓄音機
ホーン・スピーカも高・中・低域と分けて作れば、設計・製作ともに楽である。
けれども一本のホーンで高域をロスらせないで、低域まで出そうとすると難し
くなる。
昔の蓄音機は構造上ホーン用ドライバー・ユニットに相当するサウンド・ボッ
クスを2個も3個も使うわけにはいかなかったから大変であった。レコードの
温溝を針先でたどりその振動で振動板を振動させる。それがホーンから出る
エネルギー源の全てである(別にアンプなどを使って増幅拡大するわけでは
ないから)。ホーン内部ででき得る限り音量をロスらせないことも大切な条件で
あった。というわけで、昔の蓄音機、といっても1925(大正14)年に電気吹
込が始まって以来のエキスポネンシャルの理論を応用した。
 いわゆる新型機のホーンはよく出来ている。特に、ベル研究所で設計し米
ヴィクタァで製作したクレデンザとか、それに更に工夫を加えた英グラモフォ
ンの相当器のホーンは見事なものである。そして都合のいいことにホーン
(蓄音機ではトーン・アームを含む)の喉口がウエスタン・エレクトリックのホ
ーンと同様18mm強で同一であるから、555型ユニット(ウエスタン・エレクトリ
ックでは Recieverと呼ぶ)を用いて鳴らすことが出来る。クレデンザに限ら
ず米ヴィクタァのオルソフォニック・ヴィクトロラ、英グラモフォンの新型機は
ポータブルに至るまで同一であるから、ドライバー用のアタxチチメントを作
ればよい。アルテックやジム・ランシングのユニットのように喉口が25mmの
ものも、ちょっと工夫すれば組み合わせることができる。上図で英グラモフォ
ンのホーンとヴィクターのクレデンザのホーンを掲げる。このクレデンザのホ
ーンは機械・電気両用型8-60号の透視図でる。英グラモフォンのホーンは
HMV-202型の透視図で、これまで鉄板製と思われていたが、この機械の愛
蔵家であり、自作蓄音機で有名な加藤玄生氏によって、銅版製であることが
明らかにされた。ノン・レゾナント・メタルであるとか鉄とアルミに合金である
とか諸説紛々であった謎がとけ、大変な朗報であった。
 

  池田圭著 (盤塵集より)

 
 
 
 
 
 
 
 
HMV203仕上げレコードケース
 銀座シェルマンのオークションで落札。納品後HMV203仕様と知りました。
 
 
 
 
systemK EMG−MkZ {1945年頃}
 
 
 
 
 
EMGーMkZ
 電気再生が主流の頃機械式再生が最高と考えたE..M.ジンの手作りで、
同じ物が2台と無いと言われていますガラードのモーターが付いています。
トルクが強く瞬時に78回転になります
vanguardへ